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日本オラクル
アプリケーションビジネス推進本部
ディレクター
桜本 利幸

 「業務アプリケーションの視点」を形づくる三つの領域のうち、前々回は一つ目の「報告とレポーティング」を、前回は二つ目の「総勘定元帳・仕訳・勘定科目」を説明した。今回は最後の三つ目である「業務プロセス」を取り上げる。

「グループ経営管理基盤」が目標

 「業務プロセス」領域では、IFRS(国際会計基準)に求められる様々な業務プロセスをこなし、会計データを作成する。グループ全体で業務プロセスやそれを支える情報システムを標準化する「グループ経営管理基盤」の確立を目標とする(図1)。

図1●共通業務システムでグループ経営管理基盤を構築
図1●共通業務システムでグループ経営管理基盤を構築
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 この領域では、取引を処理し会計データの生成にかかわる多くの業務システムが対象になる。収益認識をカバーする販売管理システム、従業員給付や有休休暇をカバーする人事給与システム、金融商品をカバーする財務・資金管理システム、有形固定資産をカバーする固定資産・不動産管理システム、開発費の資産計上をカバーするプロジェクト管理システムなどである。

 システムの導入手法としては一つ目の領域で導入した「グループ連結システム」、二つ目の領域で導入した「グループ共通GLシステム」に加えて、最上流にIFRS対応の「グループ共通業務システム」を導入する形をとる。

 この場合、二つ目の領域での主役だったGL(総勘定元帳)システムに加え、固定資産管理や金融商品管理、支払い・入金といった会計関連システム、販売、購買、在庫、生産管理といった「物」に関するシステム、人事、給与といった「人」に関するシステムなどの業務システムをグループ標準システムに移行することになる。

 ここでもグループ共通GLシステムと同様、グローバルでの利用を前提とした最新のERP(統合基幹業務システム)が有用である。有形固定資産のコンポーネントアカウンティング、検収基準での収益認識、有給休暇債務の把握、開発費の積み上げといったIFRSが求める業務要件をカバーしている。

 グループ経営管理基盤の実現に向けた作業は、一つ目や二つ目の領域よりもさらに労力がかかる。システムの標準化に先立ち、業務を標準化する必要があるからだ。経理だけでなく購買や営業、販売、人事など多くの部門がかかわってくる。特に初期の導入負荷が高くなるだろう。

 その分、大きなメリットが得られる。GLシステムだけでなく主要な業務システムをグループで物理的に統一するので、グループ共通GLシステムよりもシステムの運用コストをより削減できる。しかも業務を標準化するので、シェアードサービス・センターへの業務集約や、グループでの集中購買、グローバル・キャッシュ・マネジメント、グループ人事といった経営面でのメリットも享受できる。