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日本オラクル
アプリケーションビジネス推進本部
ディレクター
桜本 利幸

 ここまでIFRS(国際会計基準)対応を支える情報システムの考え方として、「業務アプリケーション」「テクノロジー」「グローバル/グループ全体での最適化」という三つの視点を紹介し、さらに「業務アプリケーションの視点」に基づき、三つの領域におけるシステムの導入方法を説明した。

 ここまで見てきたIFRS対応を支える情報システム機能要件を実現するに当たり、欧米の先進企業や、それに続く韓国などの成長企業はグループで一つのシステム(インスタンス)を共有する「グローバル・シングル・インスタンス(GSI)」の形をとるケースが多い(図1)。

図1●業務プロセスの標準化、システムの集約化によるシェアード型グループ経営管理基盤
図1●業務プロセスの標準化、システムの集約化によるシェアード型グループ経営管理基盤
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 GSIは、グループで一つの基幹業務システムを構築して、それをグループに属する企業が共同で利用する仕組みである。ERP(統合基幹業務システム)をベースに、企業グループで会計の勘定科目はもちろん、会計プロセスや人事、購買、販売管理といった業務プロセスを標準化して実現する。

 この仕組みを実現できれば、M&A(合併・買収)や新規事業の立ち上げで連結の対象会社が増えても、業務プロセスやシステムは増加しない。グループのすべての情報を一元管理できるので、データの収集や加工、分析にかかるサイクルが劇的に短くなり、開示頻度の増加と開示リードタイムの短縮にも対応できる。

 しかも、企業グループの標準プロセスが確立するので、内部統制監査のスピードと精度が格段に上がるほか、監査にかかるコストを削減できる。物理的にシステムが一つになるので、ITコストの削減も可能だ。

 GSIは、IFRS対応を支えるシステムの理想的な姿といえる。ERPとEPM(エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント)双方の機能を共通のシステムインフラ上に実現し、それをシェアード型、プライベートクラウドによりグループで共用するグループ経営管理基盤を構築・運用していくことになる。