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マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口 泰行氏
マイクロソフト 代表執行役 社長
樋口 泰行氏

 日本の経営は、今大きな転換期を迎えつつあると私は認識している。内需がどんどん伸びている時代は、日本国内だけを向く「内向き」でも「ガラパゴス」でもよかった。

 しかし、日本は国としてのエネルギーレベルが低下し、それほど活躍しなくても細々とやっていればいいという考えが若い人の間で広がっている。中国のGDPが日本の5倍になるとの予測がある一方で、日本は今後も国際的な競争力を維持できるのか、という懸念が生じるのも当然だろう。

 現状を脱却するには、国内で生産した製品を引っ提げて海外に打って出るというパターンから、世界は何を求めているのかを起点に考える「外需からの発想」に切り替える必要がある。しかし現状では、日本企業は言語的にも文化的にも世界と距離感があるというのが実情だ。

 では、日本の企業はどのようにすれば大変身できるのか。まずは、世界目線で仕事ができるようになることが重要だと思う。ビジネスモデル選択やエコシステム構築にも、世界レベルの高い視点は欠かせない。英語を話せない役員は去ってほしいとする企業が最近話題になっているが、それくらい極端に振らないと国際化は難しいだろう。海外に進出して、そこから国内の自社の姿を観察してもよいかもしれない。

プロセスやインフラの近代化で世界目線での業務を可能にせよ

 次に、業務プロセスやインフラを近代的で国際的なものに変えていくことも求められる。国際化によってガラパゴス状態から脱しようとするのなら、情報共有基盤などIT基盤を構築し、仕事のやり方も世界的な標準に合わせる必要がある。

 そうした激動の時代の経営を支えるうえで、クラウドコンピューティングは重要な役割を果たす、とマイクロソフトは考えている。コスト競争力と生産性を高め、機動力と柔軟性をもたらし、標準化によって効率を高める。経営課題が求めるこのようなニーズに、クラウドコンピューティングは応えてくれる。

 クラウドの優位性として、以下のポイントを挙げたい。まず、初期投資を抑えられる。インフラを構築するための導入費用は不要だし、ハードウエア・ソフトウエアを資産として計上する必要もない「アセットレス」経営が可能だ。経営に必要なスピードも確保できる。経営上の課題が発生した時に、すぐアプリケーションを開発して利用できるからだ。

 IT運用面では、システム管理業務をアウトソーシングできるメリットが大きい。また、クラウドをデータセンターとして利用することにより、事業継続の前提となる冗長性も確保できる。さらに、決算時や新商品キャンペーンの際など、容易に一時的な能力増強ができる。クラウドは基本的に従量制課金方式なので、必要がなくなったらすぐに停止できるため、コスト面でもメリットがある。

 加えて、能力を無限に拡張できるスケーラビリティーがある。自社でサーバーを増やすとコストも時間もかかるが、クラウドなら容易に拡張が可能だ。厳しい経営環境に置かれている企業にとって、非常に大きなメリットだ。

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 マイクロソフトのクラウドサービスの具体的なメリットとしては、「情報力の強化」と「生産性の向上」がある。例えば、インターネット検索エンジンのBingでは検索結果の上にマウスのポインターを合わせるだけで、コンテンツの概要がみられる。

 またオンラインストレージのSkyDriveを使えば、Microsoft Excelで作成したシートをクラウドに保存して、InternetExplorerのウィンドウで直接確認・変更できるようになる。複数の人が同じExcelシートをインターネット上で編集できるので、生産性向上にも大きく寄与する。Windows Intuneというサービスでは、オンプレミスのPCの管理をクラウド上からリモート管理することも可能だ。

25周年を機に社名を変更、日本の良き企業市民を目指す

 マイクロソフト株式会社として日本でビジネスを始めてから、間もなく25周年を迎える。来年2月には本社と東京地区の4オフィスを東京・品川に統合する予定で、同時に社名を「日本マイクロソフト株式会社」に変更する。あえて「日本」という冠を付けたのは、何でも米国本社の流儀でやるのではなく、日本のお客様ときちんと相対して営業やサポートをしていきたいという思いからだ。

 マイクロソフトは、次のような企業となることを目指す。まず、お客様との関係では「顔が見え、親しまれ、かつ尊敬される」企業でありたい。ビジネスパートナーとの間では、協業を推進することでWin-Winの関係を築き上げられる存在になりたいと考えている。テクノロジーとイノベーションの領域では、ビジネス市場とコンシューマー市場の両方において、常に革新的な技術を届けられる企業であり続けるべく、マイクロソフトは不断の努力を続けている。

 加えてマイクロソフトの日本法人として、「日本社会に根差した良き企業市民として社会に貢献できる」企業となることにもこれまで以上に力を注いでいく所存だ。25周年を機に心を新たにして、さらに日本のお客様の役に立つ会社になるべくがんばっていきたい。