PR
日本ヒューレット・パッカード 取締役 常務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括 古森 茂幹氏
日本ヒューレット・パッカード 取締役 常務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括
古森 茂幹氏

 世界のデジタル情報は急増し、人口は66億人に達しているが、インターネットにつながっているのは16億人にすぎない。インターネット人口が今後も増えるのは確実で、巨大なビジネスチャンスが埋もれている。

 HPは「Everything as a Service」という戦略を掲げ、自らを変革することで、挑戦しようとしている。この方向の中心にクラウドコンピューティングがある。その一環としてHPは3つの領域の強化を進めてきた。それは、IT基盤を提供するデータセンター、人々とクラウドの接点としてのデジタルデバイス、それらをつなぐネットワークである。

積極的なM&AとR&Dにより3つの領域を大幅に強化

 HPは年間3000億円に及ぶR&D投資をする一方で、積極的なM&Aを実施してきた。過去3年間で30社を加えたことで、プロダクトやソフトウエア、サービスを大幅に強化することができたが、いずれもEverything as a Serviceという戦略のための布石である。ITサービス最大手のEDSとのM&Aはデータセンターの運用ノウハウ向上に役立っているし、今年4月にスリーコムの買収を完了し、ネットワーク機器を強化できた。

 それは後述するIT基盤「Converged Infrastructure」をはじめ、デジタルデバイスの分野では7月に発売した家庭用サーバー「HP MediaSmart Server」として表れている。標準で1TBのデータ容量を持ち、各社のゲーム機やスマートフォンなどに音楽や動画などを集中管理できるほか、コンテンツのフォーマット変換機能によりマルチデバイス対応が可能。またスマートフォンで有名なパームのM&Aでデバイスの可能性がさらに広がる。

 デバイスだけでなく、サービスの領域でも成果を上げている。「snapfish」というオンラインフォトサービスはその1つ。現在8500万人が利用し、蓄積している写真は50億枚を超える。このサービスのためHPは16PBという膨大なデータを3カ所のデータセンターで管理する。

 HPがこのサービスを始めた大きな理由は、IT基盤の運用ノウハウを磨くことにある。急増するデータを効率的に運用するために必要なものを見極め、次世代のIT基盤のあり方を考えるうえで、snapfishは様々な機会や示唆を与えてくれている。

 では、Everything as a Serviceを支える次世代のIT基盤とはどのようなものだろうか。その重要な要件はサービスを止めないこと、そして規模拡大による運用コスト増を最小限に抑えることである。

 そのようなIT基盤を実現するためには、IT基盤を構成する5つの要素を統合する必要があると考え、サーバーとストレージ、ネットワーク、管理ソフトウエア、電源・冷却技術を統合したConverged Infrastructureを提唱している。

[画像のクリックで拡大表示]

 物理的なサーバーの台数は急増しており、それ以上のスピードで仮想サーバーの数が増え、従来のやり方では運用コストも肥大化してしまう。当社はこの課題の解決に力を注ぎ、運用の簡素化や自動化を推進している。

 管理ソフトウエアの進化はその一環だ。今では管理画面でドラッグ&ドロップの操作だけで、サーバーを容易に追加できるようになっている。この技術を搭載した新しいコンセプトがサーバーやストレージといった5つの要素すべてを統合した「HP Blade System Matrix」である。それにより、従来なら手作業で8~16時間かかったサーバーの追加がMatrixなら5分に短縮でき、3年間で71%のTCO削減を実現している(出典Alenian ROI model)。

HP自身のIT改革を通じてノウハウを磨き提案力を向上

 Everything as a Service戦略の進展をより確かにするために、HPは自らのIT改革に取り組んでいる。当社が実験台になり、お客様への提案の質を高める狙いがある。というのも、当社も以前、課題を数多く抱えていたからだ。2005年当時、世界に85以上のデータセンターを展開し、6000のアプリケーションが稼働していた。IT予算は売り上げの4%程度を占め、そのうちの65%を運用管理に費やした。合併を繰り返してきたため、IT部門の社員数のほうが営業担当者の人数を上回っており、ITを効率的に使いこなしていたとはいえない状態だった。

 しかし、抜本的な体質改善に取り組んだ結果、当社のIT構造は大きく変わり、4年後の2009年に年間10億ドルのコスト削減を達成できた。具体的には、サーバーの台数を40%減らした一方で、処理能力は250%増強できた。また、運用コストの削減でIT予算の70%を新規投資に回せたほか、営業担当者の人数がIT担当者の2倍になり、営業力も強化できた。

 社内のIT改革で蓄えたノウハウはクラウド戦略でも生きている。HPのクラウドサービスには3つの柱がある。第1にクラウド事業者の支援、第2に企業内クラウドの構築支援、第3にクラウドサービスの提供である。

 研究開発の成果をはじめ、社内のIT改革の経験を生かしながら、多様な製品・サービス群を駆使してお客様のビジネスとITの最適化に貢献していく。