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日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤 隆雄氏
日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者
遠藤 隆雄氏

 IT業界に大きな変化の波が打ち寄せている。オラクルは自身を変革することで、新しい時代に適応しようとしている。このところ数多くの企業を買収したのも自己変革の一環である。

 オラクルのM&A戦略の対象はアプリケーションやミドルウエアなどのソフトウエア企業だけでなく、ハードウエアを手がけるサン・マイクロシステムズにも及び、今年6月から同社製品は日本オラクルが提供している。企業買収によって拡大した製品やサービスはそれぞれの領域でナンバーワンを目指すとともに、それらを束ねて総合力を発揮していく。

 ただし、従来からのオラクルのビジョンを変えたわけではない。それぞれの業界に適合したソリューションで高付加価値を提供し複雑性を低減するComplete(完全)、標準準拠のアーキテクチャーによりお客様に選択肢を提供しリスクを軽減するOpen(標準)、連携を前提とした設計で柔軟性を高めコストを削減するIntegrated(統合)という3つのビジョンは今後とも堅持する。

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 そのうえで、オラクルは統合的な価値の最大化を目指す。その典型的な事例がソフトウエアとハードウエアを1つにした「Oracle Exadata」だ。

30時間要した作業を21分に、バッチ処理を短縮するExadata

 Exadataは驚異的なデータベース・ストレージ・パフォーマンスを実現し、従来製品と比べケタ違いの実力を持つ。30時間かかっていた店舗別/製品別の売上動向検索は21分に、90分を要した検索処理なら1分に短縮できる。Exadataの導入事例は多く、バッチ処理時間が大幅に短縮され、担当者が業務から早く解放されるようになり、家族や労働組合などから感謝されたといった声がお客様から寄せられている。

 ITのあり方が大きな変化の時代を迎えている中で、「あるべき企業システム」の潮流を一言でいえば、それは「作らないシステム」である。

 これまで要件定義から始まって設計、構築までに数年かかることもあった。インテグレーションは複雑で、テストにも時間とコストを要した。リソースが拡散しており、把握に手間がかかった。これまでの企業システムはそろそろ限界を迎えている。

 今後求められるのは、既存アプリケーションを設定するだけで短期構築できるシステムだろう。そして、導入後のチューンアップで、自社のビジネスに合わせて手直ししていく方向に進むだろう。また、インテグレーションの簡素化、リソースの集約も重要だ。このような観点から注目を集めているのがクラウドコンピューティングである。

オラクルは3つの立場でクラウドビジネスを展開

 経営者がクラウドに求めることは、スピードと柔軟性と低コストという3つに集約される。ITの視点でいえば、業界標準のパッケージアプリケーションと柔軟性・相互連携性を実現するSOA、柔軟でIT資源を有効活用できるクラウドプラットフォーム。いずれもオラクルが追求してきたことでもある。

 これまでオラクルは3つの立場で、クラウドを推進してきた。オラクルはSaaSプロバイダーであり、パブリッククラウドのプロバイダーに対するイネーブラー(普及促進者)、パブリッククラウド構築への製品提供者でもある。それぞれの分野で大きな市場シェアを占める。

 クラウドに対する期待は大きい。ただ、その適用領域については慎重な検討が必要だろう。パブリッククラウドに適しているのは、リソースを一時的に必要とする開発、メールといった業務で、柔軟性や俊敏性、低コストが重要になる。半面、高い信頼性や可用性、事業継続性の維持が求められる基幹業務はプライベートクラウドが得意とする領域だ。

 今のところ双方のメリットを組み合わせたハイブリッドクラウドが望ましい。その際、プライベートクラウドの形態を十分検討する必要がある。自由度は高いが構築作業の負荷も大きいIaaSを選ぶか、それともIaaSほどの自由度はないが、標準化されたIT環境が提供されるPaaSを選ぶか、企業システムの全体像を描いたうえで適切な基盤を選択すべきだ。

 企業システムが「あるべき姿」にたどり着くには、いくつかハードルを乗り越える必要がある。現状をみると、業務ごとにサイロ化したシステムが多く残っている。このようなIT構造を共通基盤でまとめ、次にプライベートクラウド化を進める。その先にあるのが、ハイブリッドクラウドである。

 オラクルは、こうした企業システムの進化を強力に支援している。サンの買収によりサーバーやストレージ、OSなどを加えて、クラウドプラットフォームを実現するための製品群を拡充した。さらに、クラウド環境の運用管理を担うソフトウエアも強化している。複雑なクラウド環境のトラブルを未然に防ぎ、その円滑な運用を支えるソフトウエアの重要性は、今後ますます高まるはずだ。

 製品群の拡充は新しいソリューションを可能にする。Exadataに代表されるソフトウエアとハードウエアの組み合わせだけでなく、様々なアプリケーションやミドルウエア、データベースなどを垂直統合型のソリューションとして具現化していくことで、オープンシステムの複雑性を回避できる。

 オラクルはパッケージアプリケーションとクラウドプラットフォームをSOAの技術で垂直統合し、お客様が信頼できるIT環境をトータルで提供する。それがスピードと柔軟性、低コストを求める経営者に対するオラクルの提案だ。