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インテル 取締役 副社長 宗像 義恵氏
インテル 取締役 副社長
宗像 義恵氏

 先日、インテルは第2四半期決算を発表した。この42年間で四半期として最高の売り上げと利益を計上できた。世界経済がリーマンショックから完全には抜け出せていない中で、好業績を上げることができたのは、基本的な経営戦略を着実に実行したためだ。具体的には、コアコンピタンスとなる業務領域に積極的に投資し、生産性を向上させるための様々な方策を実施してきた。

 インテルはコアコンピタンスを半導体の開発・製造・販売と位置付けている。半導体はプロセッサやメモリーの形でコンピュータをはじめ様々な電子機器に組み込まれている。インテルの業績はこれらの販売動向が左右する。

 コンピュータはインターネットの普及につれて日常生活に不可欠のものとなった。インターネットに接続できる機器は1978年から2008年までの30年間で約50億台に増え、2015年までに3倍の150億台になる見通しだ。ある調査によれば、インターネットを行き交うデータのピーク時容量は2009年から2015年までに16倍に増え、ディスクやストレージに保存されるデータ容量は7.5倍になると試算されている。

インターネットの成長が左右するコンピューティングの今後の行方

 将来のエンタープライズコンピューティングは単に企業のデータセンターの中に留まるのではなく、顧客、モバイルコンシューマー、サービスプロバイダー、通信事業者、サプライヤー、アウトソーサーなどを結ぶものになるだろう。このような世界規模のネットワークに求められるのは「動的なリソース管理」「データセンターの最適化」「データ集約型のコンピューティング」といった要件だ。それを支える技術としてセキュリティ、運用管理、仮想化、エネルギー効率向上、性能向上などがある。

組み込み機器からサーバーまでをコンピュートコンティニュアムで

 こうした中で、インテルは経営戦略として「コンピュートコンティニュアム」を掲げる。組み込み機器からサーバーに至るあらゆるコンピューティングにインテル・アーキテクチャーを適合させていく方針だ。

 そのベースにはインテルが以前から継続的に採用しているTick-Tock開発モデルがある。これは線幅の微細化というプロセステクノロジーの進化(Tick)とアーキテクチャーの革新(Tock)を毎年交互に繰り返していく手法。これに基づいて、リーマンショック後の2009年、インテルは32nmという細い線幅でLSIを製造するための投資に着手した。そこで生産した製品が現在の業績に貢献している。

 データセンターのサーバー向けの製品(インテルXeonプロセッサー5600番台)はその1つだ。消費電力を30%減らしながらも性能を60%向上させ、仮想化を安全に実行するための暗号化機能も標準で装備した。総合的性能はおよそ5年前のサーバー製品に比べ15倍にも達し、同じ台数なら15倍の性能を26%少ない電力コストで達成する。台数を15分の1に減らせば電力コストを95%削減できるので5カ月で投資を回収できる。

 また、基幹業務用のサーバーに使われる製品(インテルXeonプロセッサー7500番台)では、約20倍の性能向上を実現し、主要サーバーメーカーが採用する実績を上げた。当社自身も業務遂行用としてこのクラスのプロセッサを搭載したサーバーを採用しており、約10万台保有しているうち約70%を半導体デザイン業務のために使用している。

 基幹業務向けのプロセッサとしては、第7世代のItanium(インテルItaniumプロセッサー9300番台)もある。これは大企業のミッションクリティカル業務への適用を想定したもので、最先端のスケーラビリティー、世界最高水準の復元力、優れた仮想化機能、インテリジェントな電力効率を兼ね備えた設計を採用する。今後のロードマップも定義しており、長期的な計画に基づいてエネルギー、製造、医療、通信などのミッションクリティカル業務に活用できるだろう。

 クライアント向けデスクトップ/ノートブックパソコンには、「スマートなセキュリティ」「コスト削減をもたらす運用管理機能」「インテリジェントなパフォーマンス」に優れたインテルCore vProプロセッサファミリーを投入した。

 インテルは8万人の従業員に9万台のパソコンを貸与しており、そのうちの7万台はノートブックだ。ノートブックの盗難や紛失が心配という声をよく聞くが、モバイルコンピューティングは企業に多大なメリットをもたらす。これがインテルの基本的な考え。持ち出しによるリスクと生産性向上のトレードオフを考慮し、盗難・紛失を想定したシステム構築をしたうえで、ノートブックをメインのクライアントパソコンとして使っている。

 また、インテルは革新的なワイヤレスブロードバンド通信テクノロジーのモバイルWiMAXにも積極的に関与する。オフィス、自宅、街角、電車・バスなどのあらゆる場所でインターネットを高速に活用できるようにしている。

コアコンピタンスを見定め、生産性向上策を適切に実施

 コア業務に積極投資し、生産性を向上させるという基本的な経営戦略を実行するためには、自社のコアコンピタンスは何であるかを正しく把握すべきだ。インテルは半導体の開発・製造・販売を自らのコアコンピタンスと見定めたが、同じように日本企業もグローバルマーケットを視野に入れながら「他社に負けないウチの強み」という領域を発見してもらいたい。

 また、意思決定のスピードも重要になる。テクノロジーの進化速度に合わせてサーバーやパソコンを定期的に入れ替えていくためにも、生産性を向上させるための様々なツールを導入するためにも、素早く判断を下せるようにしておくべきだ。インテルでは、IT部門が毎年ITにかかわるアニュアルレポートを作成し、ITによる経営への貢献を検証している。このレポートでは独自指標に基づいて貢献度を示しており、コストだけをみてIT施策を決めることはない。

 ビジネスとITの距離が近くなっている現在、ITは企業の成長を促進させるための主要な手段になっている。そのための製品やソリューションとしてインテルのテクノロジーが貢献できれば幸いだ。