PR

 「第12回 自動認識総合展」が2010年9月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催された。会場ではICタグ(RFID)やバーコードといった自動認識製品が展示されていた。また、ユーザー企業の担当者やメーカーの製品担当者がICタグや「おサイフケータイ」について語るセミナーも開催された。

 セミナーではICタグを使って航空機の出発遅延を防止する中部国際空港(セントレア)の事例が紹介された。「i-TAG」と呼ぶICタグや電子ペーパーを内蔵した端末を搭乗客に渡し、メッセージ送信や搭乗客の位置把握に使っている。

 例えば搭乗時間間近になっても搭乗ゲートに現れない搭乗客に対しては、電子ペーパーに搭乗時間であることを知らせるメッセージを表示するとともに、音を鳴らす。並行してICタグを読み取ったリーダー/ライターのアンテナの位置から搭乗客のおおまかな位置を把握し、係員をロスなくその場所へ向かわせる。旅客情報をICタグに記録して電子搭乗券として利用する、空港内のデジタルサイネージにかざして搭乗までの詳しい情報を表示させ、海外からの旅行客が迷わないようにするといった取り組みも計画しているという。

ICタグの読み取り機とSIMカードを組み合わせる

 ICタグ関連の大きな出来事としては、2010年5月にどの場所でも読み書きができ、読み取り距離の長い「中出力型」のICタグ・システムの利用が可能になったことが挙げられる。セミナーでもデンソーウェーブや富士通フロンテック、マイティカードといったリーダー/ライターのメーカーが中出力型用のリーダー/ライターを積極的に紹介していた。

 中でも特徴的だったのが、マイティカードのハンディタイプの中出力型用リーダー/ライターである。ソフトバンクモバイルのSIMカードを装着できるようになっており、読み取ったICタグのデータを携帯電話の回線でサーバーへ送信できる。ハンディタイプのリーダー/ライターは無線LANの機能を使ってデータを送信することが一般的だが、場所によっては無線LAN環境がない場所で使う可能性がある。そのために携帯電話回線が必要だと同社は説明した。

 実際の導入例として、国内データセンターにおけるサーバー管理での利用を紹介した。ブレードサーバーと呼ばれるサーバーにICタグを付け、紛失や盗難がないかを確認するために使っている。データセンター内ではセキュリティのために無線LANが使えないといい、携帯電話回線が必要になったという。

清水エスパルスは電子マネーを活用

 おサイフケータイ関連の動向も紹介された。その一つが、清水エスパルスを運営するエスパルスの事例である。同社では2010年2月から、試合会場に設置したグッズ売り場において、NTTドコモのおサイフケータイを使う電子マネー「iD」で決済できるハンディPOSを導入した。

 以前から商品のバーコードを読み取るハンディPOSは導入していたが、電子マネー決済機能を持ったハンディPOSに更新することで、現金を受け渡しする時間が短縮されるというメリットがあった。また、グッズを買う人は手持ち現金がなくても買えるため、高額商品の購入が促進されたという。

 効果を確認したエスパルスは今後、取り扱える電子マネーの種類として「Edy」や「WAON」を追加する予定だという。またJリーグが導入を進めているICカード型の観戦チケット「ワンタッチパス」とも連携し、そのICカードに保有できる電子マネーを使って試合会場で購買ができるようにする構想も明かした。

 おサイフケータイに採用されている無線通信規格「FeliCa」を推進するソニーは、おサイフケータイと「FeliCa Plug」という通信モジュールを組み合わせたサービスを紹介した。歩数計や電子体温計、血糖値計にFeliCa Plugを内蔵させ、それらをおサイフケータイにかざすことで健康状態に関するデータを収集するというものである。これは現在、NTTドコモが「ウェルネスサポート」として提供している。

 また、「FeliCa Lite」と呼ぶ通常のFeliCaよりも安価な規格を紹介した。メモリー領域やセキュリティ機能の一部をFeliCaよりも削減しているためICチップを小型化できるので、シールなどに封入するといった使い方ができる。そのシールをポスターに貼り、読み取り機能を持ったおサイフケータイをかざすことで、ポスターだけでは説明できない詳細な情報のURLを携帯電話機に送信できる。