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Facebookはユーザー数が5億を超える世界最大のSNSである。瞬間値ではあるが、トラフィックシェアでGoogleを上回り、広告インプレッション数でYahoo!を上回る存在にまで成長している。Webのソーシャル化を推し進めるFacebookの最新動向について解説する。


山本 惇一/情報通信総合研究所 研究員

 世界最大のSNS(Social Networking Service)である「Facebook(フェイスブック)」が、Webの世界で存在感を増しており、そのユーザー数は今なお世界中で増加している。公式ブログによると、2010年7月21日にアクティブユーザー数は全世界で5億を超えた。

 モバイルインターネットでも、Facebookは人気のあるアプリケーションの一つとなっている。米調査会社のNielsen(ニールセン)が6月に公表したデータによると、iPhone、BlackBerry、Androidのユーザーそれぞれの58%、51%、50%が最もよく利用するアプリケーションとしてFacebookを挙げている。

 また、Facebookのトラフィックも増え続けている。米調査会社のExperian Hitwise(エクスペリアン ヒットワイズ)によると3月第2週における米国のWebトラフィックに占めるFacebookのシェアは7.07%だった。1週間という限定的な数字ではあるが、Googleのシェア(7.03%)を初めて超えた(図1)。このほか、米調査会社のcomScore(コムスコア)が発表した2010年第1四半期の米国内でのディスプレー広告のインプレッション数(広告が表示された回数)によると、Yahoo!の1315億回に対してFacebookは1763億回と初めてトップに立った。

図1●WebトラフィックにおけるGoogleとFacebookのシェア比較(数値は1週間のデータ)
図1●WebトラフィックにおけるGoogleとFacebookのシェア比較
数値は1週間のデータ。
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 2010年4月、Facebookはその世界をさらに広げることを目的に、「Open Graph」というコンセプトを開発者向け会議「f8」で発表した。Open Graphを実現するためのツール「Social Plugin」「Open Graph Protocol」「Graph API」などの提供も始めた。

 Open Graphとは、Facebookの中に存在している約5億人のソーシャルグラフ(人間関係)を、外部のWebサイトでも利用できるようにするもの。その中で、象徴的な存在となるのはSocial Pluginの一つである「Like」ボタンだ。

Likeボタンでソーシャル化を加速

 LikeボタンはWebサイトの記事や商品画面の横などに表示される。例えば自分の気に入ったニュース記事や商品があった場合、Likeボタンをクリックすると、その情報が当該のサイトやユーザーのFacebookに即座に反映される。具体的には、(1)サイトにLikeボタンをクリックしたという情報が反映されたり、(2)そのサイトの情報がユーザーのFacebook上に反映されたりする(図2)。このうち(1)のケースでは、AさんがLikeボタンを押し、Facebookで友人関係にあるBさんがそのサイトを見た際に、Aさんのアイコンが見つかる。つまり、たまたま訪れたサイトで友人のAさんが“オススメ”していることがわかるわけだ。

図2●Likeボタンの仕組み
図2●Likeボタンの仕組み
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 このLikeボタンを利用すると、よりパーソナライズされた情報の取得が可能になる。例えばニュースサイトなら、現状のトップページにはそのサイトが推薦する記事が全面に掲載されている。このサイトがLikeボタンを実装すると、Facebookの友人が推薦する記事を中心とした構成になるように、カスタマイズされる機能を持たせられるようになる。また、ショッピングサイトがLikeボタンを導入した場合、友人がオススメする商品がトップページに掲載されるようにもできる。そのほかにもレストランやホテルなどを選ぶときに友人の情報を参考にしたいという場面は多々ある。Likeボタンは、そうした際に役立つ機能となるだろう。

 Facebookが提供するSocial Pluginの仕組みを採用するWebサイトが増え、多くのユーザーが利用するほど情報は洗練され、有益なものとなる。Graph APIを利用すると、Facebookのソーシャルグラフと他のWebサイトのソーシャルグラフを結合することもできる。Webサイトごとに別々だったソーシャルグラフが一元化されると、ユーザーにとってはより効率的な情報収集が可能になる。このようなソーシャル化の流れが加速することで、今までサイト側がコントロールしていた情報提供の形が、ユーザー自身が取捨選択しやすい形へと変化していくだろう。