今後の情報活用を考えるとき、社外で発生する情報も視野に入れたい。ネット上の情報や、センサーから得られる情報は、新たな気づきを与えてくれる。例えば、“顧客の声”として利用できそうなのが、ネット上に発信されたブログ情報である。コールセンターやアンケートなどでは得られない、顧客の本音がつかめる可能性が広がる。

図1●NECビッグローブのネット情報分析サービス「感°Report 」の画面
図1●NECビッグローブのネット情報分析サービス「感°Report 」の画面
ブログや掲示版など、ネット上の情報を分析に利用する
[画像のクリックで拡大表示]

 NECビッグローブのブログ分析サービス「感°レポート」は、ブログに書かれた記事から、商品名やその評価に当たる単語などを収集し、17種類の視点で分析レポートを作成する(図1)。2009年11月にはサービスを強化し、新たに掲示板の書き込みを情報収集の対象に加えた。

 ネット上の情報を使う利点について同社の渡辺シニアエキスパートは「製品の好き嫌いや評価のポイント、店頭キャンペーンの効果など、既存の企業システムでは知ることのできない情報を素早く得ることができる」と説明する。

 これまで企業が同様の情報を調べようとすると、アンケート調査やグループインタビューなどを実施する必要があった。しかし、「調査対象が限られるうえ、質問に回答してもらう形式になるので、結果にバイアスがかかってしまう」と、渡辺シニアエキスパートは指摘する。

 「評判の高い製品は売れるなど、感°レポートの集計結果と実際の製品の売り上げには相関関係があることが多い」(渡辺シニアエキスパート)という。ネット上には極端にネガティブな意見や、関係者が宣伝のために書いた記事などもあるので、収集した結果の信頼性を疑う声もある。

 こうした見方に対し渡辺シニアエキスパートは「ブログが広く浸透したことで収集対象の情報は膨大になった。全体から見たら、意図的な情報はわずかなので、結果にはあまり影響がない」と話す。そうした情報のゆがみを補正するために、ネット上で複製された文章を、2重に集計しないための仕組みなども設けている。

 ただし、業種や企業の規模により傾向分析に向かない場合がある。食品や外食、自動車、化粧品など、購入者や利用者がブログにその評判を書き込むことが多いものは十分な情報量が得られる。しかし、証券や保険、消費者金融などは、利用者が感想を書くといったことが少ない。

 渡辺シニアエキスパートは「特定業種や大企業の製品のほうが十分な情報を得やすいといった特徴はあるが、『ある分野の商品の盛り上がりを調べる』といった用途であれば、企業規模などに関係なくネットから集計した情報は有益だ」と話す。