企業のサーバーには、顧客情報や営業日報、文書ファイルやメールなど様々な種類の情報が格納されている。これまでサーバーに眠っていたファイルやメールなどを活用しようという動きも出てきた。一例として、マツダと中電技術コンサルタントのメール活用事例を紹介する。

【マツダ】
複数部門のファイルを串刺し

 データベースの活用に加え、最近ではファイルサーバーやメールの情報を容易に検索・閲覧できるようにすることで、それらを業務に役立てようとする企業がある。

 マツダがその一社。部門ごとに設置している複数のファイルサーバーから、必要な情報を素早く容易に検索・閲覧できるシステムの導入を進めている。来年4月から全社展開をスタートする予定で、現在は約160人が在籍するITソリューション本部に先行導入して検証を進めている。

 すでに効果は出始めている。例えば内部審査の際に使う決済書類を検索する業務だ。ITソリューション本部は四つの組織に分かれており、組織ごとにファイルサーバーを持っている。そのため、同じ「社外委託見積もり」という書類であっても、ファイルサーバーや業務書類ごとにディレクトリの構造が違う。

 同社の片村修一ITソリューション本部オフィスワーク革新部主幹は「新システムで『社外委託見積もり』に関連するファイルを検索すれば、見たい情報の一覧をすぐに表示できる」と話す。従来は約100ある決済テーマごとに各ファイルサーバーの中を手作業で探していたため、大変な手間がかかっていた。

 単に検索性が向上しただけではない。片村主幹は「ファイルへのアクセス履歴を調べれば、誰がどの仕事をしているのか、容易に把握できるようになった。マネジメントの業務にも大変役立つ」と話す。また同社ITソリューション本部オフィスワーク革新部の石坂啓太氏は「作成者を軸にファイルを検索できるので、 ITソリューション本部に入った新人や異動してきた人員が、前任者の作成したファイルを検索して業務のやり方を理解する、といったこともできるようになった」と話す。

図1●マツダが構築した情報検索用システムの効果
図1●マツダが構築した情報検索用システムの効果
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 新システムを使えば、各ファイルサーバー内の階層構造を、横串を通したように見ることができる(図1)。検索画面に探したいファイルのタイトルなどを入力すれば、関連するファイルをすぐに一覧できる。検索対象は、各ファイルサーバー内のファイルから抜き出したメタデータである。現在、検索対象としている総情報量は約172G(ギガ)バイトでファイル数は70万強だという。

 システムの構築には、ジップインフォブリッジが提供する全文検索ソフト「SAVVY/EWAP」を利用した。SAVVY/EWAPを採用した理由についてマツダの赤井貴裕ITソリューション本部システム企画統括部ITインフラグループリーダーは「既存のファイルサーバーに手を入れずに利用できる点を評価した。ファイルサーバーへのアクセス権限も既存の仕組みと連携できたので、新たな設定は必要なかった」と説明する。