PR

 前回試したAQUOSクアトロン3Dに引き続き、今回は、PlayStation 3(PS3)を使って3D映像をテストしてみた。3Dディスプレイには、筆者が導入したソニー製液晶テレビ「BRAVIA KDL-40LX900」を利用した。この液晶テレビには、2個の3D対応メガネが付属している。

 2010年9月下旬に筆者は、PS3のファームウエアを最新のバージョンに更新し、3Dコンテンツを再生する機能が新たに付け加わった。frame packing方式によるBlu-ray 3Dディスクに収録された3D映像を視聴できる。

写真1
写真1
[画像のクリックで拡大表示]

 H.264で録画されたサイドバイサイドの3Dコンテンツについて、PS3からHDMI信号として出力すればBRAVIA側が3Dに変換して表示する。日本の衛星デジタル放送のうち、BS放送と110度CS放送は動画像の符号化方式にMPEG-2を利用しているが、スカパー!が3D専門チャンネルを用意した東経124度/128度のCSハイビジョン放送「スカパー!HD」はH.264を用いている。筆者はこれまで、ソニー製のスカパー!HD受信機「DST-HD1」とシャープ製ブルーレイレコーダー「BD-HDW55」をLANケーブルで接続し、様々な3DコンテンツをDRモードでエアチェックしてきた。ここで作成したブルーレイのディスクをPS3で再生し、BRAVIA側で3D化した映像を楽しんだ。

 今回、PS3をHDMIケーブルで接続し、テレビ本体への入力端子を切り替えてエアチェックしダビングしたW杯映像を再生した。そして、対応メガネの電源を入れ、頭にかけた上でリモコンの3Dボタンを押したが、3D映像にならず戸惑った。取り扱い説明書やオンラインマニュアルを読んだが問題解決に辿りつけず、結局はコールセンターに電話し質問した。電話はスムーズにつながった。聞いてみると、左右分割方式の項目を自分で設定するということだった(写真1)。ちなみに、リモコン上でいつでも画面を2Dに戻すことができるし、メガネの電源は画面から離れれば自動的に内蔵電池が切れるという仕掛けである。

新しい鑑賞法、PS3によるダウンロード視聴

 さて今回、せっかくPS3による視聴が可能になったので、ダウンロードによる3Dコンテンツを試してみた。

 筆者は、2階の寝室に「フレッツ 光ネクスト」の光回線を引き込んでいる。ここに無線LAN親機を接続し、そのアンテナを出窓の窓ガラスにそって垂直に立てている。1階のリビングに設置したソニー製液晶テレビには、無線LANの子機の機能が内蔵されている。無線LANの受信電界強度はフルではなくデータ通信速度も多少落ちているが、テレビに内蔵する伝送速度の実測機能を利用して計ったところ、それでも下りは9~11Mbps程度を確保できていた。HDTV映像のバッファリングにも適応できそうだと判断した。

 液晶テレビのそばに置いたPS3も無線LAN子機を内蔵している。PS3のHDDに無料体験期間の3Dゲーム映像や洋画、後述する音楽ビデオクリップを取り込んで実際に再生してみた。筆者はシューティングゲームを3D体験したが、10分ほどでくたくたになってしまった。成長期にある子供には脳に与える刺激が強すぎる。3Dの健康問題への影響は家電業界や放送業界などでも様々な取組みがあるようだが、ゲームの世界では特に対策が必要と感じた。今後は「グランツーリスモ」(ドライブシュミレーションのソフト)のような3D対応PS3ゲームソフトの発売も控えているのでこういった議論も増えるのではなかろうか。なお、筆者のソニー製3D対応液晶テレビは、人がテレビに近づきすぎるとセンサーが感知して警告画面が発動する機能がある。ゲームに没頭しているプレーヤーなどがテレビの正面50センチ程度に近づいたりすればたちどころに警告画面がでる。

 なお、プレーステーションストアへのID登録があれば、その月ごとに様々なコンテンツを体験できるサービスはソニーならではの世界観であり、その中で3Dゲームや各種3D映像コンテンツも購入できる。音楽ビデオクリップも4本あり、筆者もアルバムを持っている女性シンガーの楽曲をダウンロードした。3D視聴する5分余りのコンテンツが700円程度という値段の妥当性は他に譲るとして、まだ数本だけなのでより一層のクリップ編成の充実が望まれる。やはり、アーティスト映像の3D鑑賞はキラーコンテンツであると再認識した。なお、これから発売が本格化されるブルーレイ洋画3D対応ソフトを購入すれば、PS3をプレーヤーとして使用していわゆるフルHDの3Dコンテンツを家庭で楽しめることになる。

 今回、こういった実験を行う過程で、2階にあるシャープ製ブルーレイレコーダーを無線LAN親機に接続して1階のPS3で受信したところ、PS3の「Video」項目に「BD-HDW55」が認識されていた。プレイボタンを操作したところ、ハイビジョン番組に加えて、3Dハイビジョン番組も、無線LAN経由で再生できた。ただし、早送りポタンにカーソルを合わせると、バッファリングが追いつかないためかストリーム再生がとぎれ、以後「再生できません」という表示に変わった。W杯サッカーをエアチェックした3D映像が、自宅内の無線LANを経由してDLNA再生が可能ということが確認できた。

 最後に、ソニーは3D対応テレビの購入者に3Dブルーレイディスクを無料でプレゼントする登録キャンペーンも実施中している。ソニーは、ソフトを自己創出しながら進化する世界観を演出できる数少ない総合AVメーカーであり、3D映像の世界でそれがどれだけの武器になるのか見守りたい。


佐藤 和俊(さとう かずとし)
放送アナリスト
茨城大学人文学部卒。シンクタンクや衛星放送会社,大手玩具メーカーを経て,放送アナリストとして独立。現在,投資銀行のアドバイザーや放送・通信事業者のコンサルティングを手がける。各種機材の使用体験レポートや評論執筆も多い。

■変更履歴
PS3が3Dコンテンツ再生機能として対応する3DBDの映像フォーマットは、frame packing方式による1920x1080px24Hz、同1280x720px60Hz、同1280x720px50Hzであり、サイドバイサイド方式に対応する予定はありません。一部誤解を招く表現がありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/10/27 18:30]