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 統合管理システムは新規に構築したわけではない。ポスコが2000年から利用している米オラクルのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「Oracle E-Business Suite(EBS)」をバージョンアップした上で、マスターデータ管理システムを追加した(図1)。

図1●ポスコのグループ統一の会計システム「統合管理システム」の概要
図1●ポスコのグループ統一の会計システム「統合管理システム」の概要
IFRS対応に必要な業務プロセスや勘定科目を実装し、グループ全体のIFRS対応を推進した

 「Oracle EBSの会計モジュールのバージョンアップだけで1年かかった」とイ チームリーダーは話す。機能のバージョンアップに加え、会計規則で策定した業務処理をパラメータ設定に反映したからだ。

 バージョンアップと同時に、グループ共通の勘定科目を管理するためにマスターデータ管理システムの構築を進めた。グループ会社が新たな勘定科目を追加したい場合は、本社に申請して承認を受けなければ追加できないように業務フローも整えた。

 「統合管理システムを利用することで、グループ全体の事業を本社で把握できるようになり、経理管理の強化につながる」とイ チームリーダーは話す。

 統合管理システムによって、各社の伝票レベルの情報を本社で扱えるようになった。「製品カテゴリー別にグループ全体のデータを見る」といった分析も可能だ。以前はグループ各社で会計規則や勘定科目、情報システムが異なり、本社は財務諸表に表れる数字を中心にグループ会社を管理せざるを得なかった。

 イ チームリーダーは「IFRS(国際会計基準)対応を進める際は、連結財務諸表を投資家に向けて開示するという対外的な目的だけでなく、経営層や業務の責任者といった社内へのメリットも打ち出すことが重要だ」と話す。IFRSの適用によって経営や業務が受ける影響が大きいため、「自分たちにもメリットがある」点を強調する必要があったわけだ。