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 これまで見てきたように、“異次元コラボレーション”の時代はシステム部門が活躍する機会が多い。

 では、システム部門は具体的に何をどうすればいいのか。セブン&アイ・ホールディングスやNTTドコモ、北海道銀行、パーク24、東京急行電鉄、ファミリーマートなど、本特集で紹介した各社の取り組みから浮かび上がった九つの鉄則を提言する(図1)。新サービスの構想・計画、ビジネスモデルの設計、システム整備といったフェーズに沿って見ていく。

図1●異次元コラボの成功に欠かせない九つの鉄則
図1●異次元コラボの成功に欠かせない九つの鉄則

鉄則1:ITの進化を前提に考える

 システム部門は、IT(情報技術)の進化を常に意識し、その実現可能性を十分に検討する。新技術の登場によって、「できない」と思っていたことが実現できるかもしれない。「最新のITを駆使すれば、こんなことができます」と、経営層や事業部門に積極的に提案する。さらに、新技術の可能性について異業種の企業の担当者と議論する。

鉄則2:経済や社会の変化に敏感に

 異業種の動き、海外動向、行政改革といった社会の変化に敏感になる。日ごろの業務とは直接関係ないところに、新たな商機はあるものだ。

 例えばセブン&アイ・ホールディングスがセブンイレブン店舗で始めた住民票の発行サービスは、政府における住基カードの活用構想をシステム部門が5年以上にわたって追い続けてきたからこそ、実現できた。政府の動きを傍観するだけでなく、システム部門が自ら新サービスに必要なインフラ整備を政府や自治体に働きかけてもいる。

鉄則3:提携先のメリットを重視

 提携先の企業はもちろん、社会全体にもメリットがある枠組みを、ITを使って考える。新サービスを成功させ、さらに長続きさせる秘訣である。

 パーク24のシステム部門は、パーク&ライドの仕組みを構築するにあたって、鉄道会社にもメリットがあるスキームを考え出した。さらに、最寄り駅までは自動車、そこからは電車の利用を促せばCO2削減といった環境効果にもつながると考えた。このようなビジネスモデルは、提携先に受け入れられやすい。

鉄則4:現行業務にとらわれない

 現行の業務プロセスにとらわれず、新たな発想でビジネスモデルと業務プロセスを描く。自社内の業務プロセスは、社外との提携の際には必ずしも最適なものであるとは限らない。例えば北海道銀行のシステム部門は、台湾の銀行カードが使える専用ATM(現金自動預け払い機)を導入するにあたって、既存のATMとはまったく別の機種を選んだ。システム接続についても、既存のATMとは異なるルートを採用した。コストや実現スピードなどを考えての決断である。