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 ミクシィやツイッターなどのソーシャルメディアが普及したのは、人間が他人と「つながる」ことへの欲求を持っているからだといわれる。社会学や医学などの様々な実験結果を基に、つながりの構造を解明しようとするのが本著だ。笑いや怒りといった感情、愛情、金銭欲などがネットワークを介してどのように広がるかを解説する。リアルな人的ネットワークと、バーチャルなネットワークの双方を取り上げる。

 世界中のあらゆる人が6ステップでつながっている「六次の隔たり」という実験結果はよく知られているが、著者はそれに加えて「三次の影響のルール」も存在すると主張する。個人の行動や思考には3ステップのつながりを持つ「友人の友人の友人」が影響するというものだ。

 「2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際には、広がりを予想するため紙幣の移動経路のデータを活用した」「転職する際には結束の固い集団の『強い絆』ではなく、ちょっとした知り合いの『弱い絆』を頼る例が多い」といった事例も興味深い。オンラインの世界で、多数の人とつながりを持てるようになった時代だからこそ、社会的ネットワークの原理を知る意義が高まる。

つながり

つながり
ニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー著
鬼澤 忍訳
講談社発行
3150円(税込)