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 総務省が実施している「東日本地域におけるICTを利活用した協働教育の推進に関する調査研究に係る請負」(「フューチャースクール推進事業」の実証研究)の実証校の一つである葛飾区立本田小学校で、タブレットパソコンなどを使った授業が始まった。2010年10月13日に報道機関にモデル授業が公開された。

 本田小学校は東京下町の住宅街にあり、10クラス、計285人の生徒が通う標準的な規模の学校である。10月4日にタブレットパソコンの運用を開始した。これまでは校内に電子黒板が1台あるだけだったが、実証校として環境整備が行われた結果、各教室に1台の電子黒板と生徒1人につき1台のタブレットパソコン、さらにパソコンをネットワークに接続するための無線LAN環境が整備された。

 今回実証実験に参加した動機として、同校の筒井厚博校長は「社会に出たらパソコンを使わない仕事はない。小さいうちからパソコンの使い方に慣れさせたかった」と語った。また「一般に若い先生よりもベテランの先生の方が授業の質が高い。若手の先生が積極的にICTを活用することでベテラン先生との差を縮められるのではないか」と期待を示した。今後はタブレットパソコンを家庭に持ち帰り、生徒が自宅での学習に使えるようにすることも考えているという。

 モデル授業では、タブレットパソコン導入から約1週間経過した運用初期における様子が公開された。最初は4年生の総合学習の授業で、タッチタイピングの練習を見学した。先生の合図でパソコンを起動しログイン、ワープロソフトを起動するまでを生徒が自分で行った。授業中は実証校各校に1人以上配置されたICT指導員が生徒の間を行き来し、生徒や先生の端末操作をサポートすることで授業をスムーズに進行していた。

 次に見学したのは2年生の国語の授業で、電子黒板に表示される漢字の筆順のアニメーションを見ながら反復練習をしていた。授業のすべてを電子黒板で行うのではなく、書き取りでは従来の鉛筆とノートを使うなど、場面ごとに使いやすいツールを選んで授業を進めていた。

 今回総合学習のモデル授業を行った鎌田尚子先生は、ICTを活用した授業について「生徒がパソコンを喜んで使うので、授業の意欲付けに効果が高い」と評価した。一方でコンテンツやソフト開発の必要性や、生徒が作成したものを残せない、音の出るソフトは多人数で同時に利用できない──などの課題も感じたと説明した。社会や理科の授業では、調べ物をする際にインターネットも積極的に利用しているという。不適切なWebサイトへのアクセスはブロックする仕組みになっているので、安心して利用できると説明した。また、生徒がパソコンに夢中になり、集中力が下がるのではないかという質問に「そういう傾向は見られない」と答えた。

 同校を含む東日本地域の実証校5校は、今後2011年1月下旬までICTを活用した授業を行う。NTTコムは実験の成果を2011年2月をめどに報告書としてまとめる予定である。