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図1●「YouTube」に投稿された「衝突ビデオ」の例
図1●「YouTube」に投稿された「衝突ビデオ」の例
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 世間をにぎわしている沖縄・尖閣諸島沖の「中国漁船衝突事件」。その模様を撮影した動画が、動画共有サイト「YouTube」に投稿されて大きな話題になっている(図1)。ここで一つの疑問が浮かぶ。「なぜ投稿した人物が特定されていないのか」ということだ。インターネットでは、匿名で動画を投稿することが可能なのだろうか。

 もちろん、そのようなことは不可能だ。例えば、掲示板サイトに犯罪予告などを書き込んだために逮捕されるユーザーは後を絶たない。ほとんどの場合“犯人”を特定できる。ただし、時間がかかることが多い。

 今回の“事件”も同様だ。今は特定されていないものの、将来的には特定される可能性がある。なぜ「完全な匿名」は実現できないのか、なぜ時間がかかるのか。以下、解説しよう。

表面上は「匿名で投稿可能」

図2●YouTubeのアカウント登録ページ
図2●YouTubeのアカウント登録ページ
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 YouTubeで動画を投稿するには、アカウントを取得する必要がある。アカウントの取得には、「メールアドレス」「ユーザー名」「地域」「生年月日」「性別」を登録する必要がある(図2)。

 ユーザー名は、既存ユーザーと重複しなければ、任意の文字列を指定できる。厳格なチェックを行わないため、地域や生年月日、性別には、虚偽の情報を入力しても登録できてしまう。ただし、メールアドレスには正しい情報を入力する必要がある。このアドレスあてに、登録確認のメールが送られるためだ。そのメールに記載されたリンクをクリックしないと、アカウントの登録は完了しない。

 とはいえ、自分がいつも使用しているメールアドレスを登録する必要はない。無料で提供されているWebメール(フリーメール)で取得したアドレスでも問題ない。一時的にでも、自分がメールを受け取れるアドレスなら、どのようなアドレスでも登録できる。

 つまり、偽名で取得したWebメールのアドレスを使って、偽名でYouTubeのアカウントを取得できる。表面上は、匿名で動画をアップロードして、全世界に公開できるのだ。