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 N-TRANSFERは、パソコンがなくとも、スキャナやカメラ、USBメモリーのデータをクラウドサービスにアップロードできるデバイスだ。クラウドサービスとしては、まずEvernoteをサポートした。「我々が見てきたデバイスの中でも最も進歩したもの」。N-TRANSFERを見た米EvernoteのCEO Phil Libin氏はこう評した(関連記事)。

パーソナルクラウドの便利さをもっと多くの人に

N-TRANSFER
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 個人向けに、様々な情報をネット上に記録しておける「パーソナルクラウド」と呼べるサービスが人気を博している。Evernoteはその代表だ。ファイルやメモ、画像など様々な情報をクラウド上に保存して、共有することもできる。

 しかし、家にスキャナ一体型のプリンタを持ってはいても、パソコンを持たないユーザーにはその活用のハードルは高かった。またパソコンを持っていたとしても、いちいち起動するのは面倒だ。

 そのバリアを崩そうとするのがN-TRANSFERだ。「Evernoteなどの便利なパーソナルクラウドサービスやその使い方を、もっと色々な人に広めたいという単純な気持ちが開発を検討したきっかけ」と、NTT西日本 サービスクリエーション部 新ビジネス部門 ネットバリュー担当課長 木村吾郎氏は語る。

 N-TRANSFERの外観はシンプルだ。ACアダプタと電源スイッチを以外には、USBとLANのコネクタがあるだけ。使い方も簡単。LANケーブルをつないで、USBコネクタにスキャナやUSBメモリーなどを接続し、データをアップロードするだけだ。従来の日本メーカーの製品によく見られた「多機能の追求」とは対極にある、目的を絞り込んだデバイスと言えよう。

 初期設定もパソコンなしでできる。N-TRANSFER本体の裏に張り付けられているQRコードを、携帯電話のコードリーダー機能で読み取れば、すぐに「マイページ」にアクセス可能。そこで、EvernoteのIDなどを入力すれば設定は完了だ。Libin氏は「このようなデバイスによって、ITに詳しくないユーザーにもクラウドが身近なものになる」と、N-TRANSFERの持つ意義を評価した。

 N-TRANSFERは、2010年10月に発売されたばかりの製品だ。発売間もないが「様々なWebメディアや雑誌などで取り上げられ、ユーザーからも予想以上の反響を得た」(木村氏)という。

前例のない製品、「実現できるのか」から検討

 「特定の技術ありきではなく、似たような製品もなかったので、実現できるのかどうかを含めて一からの検討だった」。木村氏は、開発のスタート時点をこう振り返る。「サービスと端末をつなぐ」という位置付けの商品であるがゆえに、「様々な事業者やメーカーと調整し、いかにアイデアを早く形にするか。この点に一番苦心した」(木村氏)。しかし「関係者がコンセプトをすぐに理解して賛同してくれたおかげで、同じ方向を向いて様々な課題を解決することができた」という。

 最初のクラウドサービスとしてEvernoteと連携したのは、開発メンバーが個人的にEvernoteユーザーであったことが大きかったという。「こうした便利なサービスをより簡単に、もっと色々な人に届けたい」。その思いから、直接EvernoteのチームにN-TRANSFERのプロトタイプを持ち込んで説明し、連携を実現した(関連記事)。

多様なデバイスでの利用を実演

ITpro EXPO 2010のブースでは、スキャナやiPad、Android端末などを用意しN-TRNSFERの機能を実演した
ITpro EXPO 2010のブースでは、スキャナやiPad、Android端末などを用意しN-TRNSFERの機能を実演した
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 ITpro EXPO 2010は、N-TRANSFERの最初の展示会出展となった。ブースでは、チラシをスキャナで読み取り、それを即座にEvernoteにアップできることを実演。ブースにはiPadやiPhone、AndroidスマートフォンのGALAXY Sなどを用意し、スキャンしたデータをすぐに多様なデバイスで利用できることをわかりやすく示した(関連記事)。

 現在、対応しているスキャナは、エプソンのインクジェットプリンタ複合機「カラリオ」とPFUのカラーイメージスキャナ「ScanSnap」。今後、対応機種を増やしていく予定だ。実はN-TRANSFERはLinuxを搭載しており、Linux用のデバイスドライバがある機種は比較的簡単に対応できそうだ。またクラウドサービスも、Evernoteに加えて写真共有サービスなどに対応していく方針という。

もっと多くのサービスと端末をつなげる

 木村氏は、「これからもスピード感を持って色々なサービス・端末をつなげて、便利な利用シーンを創出していきたい」と語る。2010年12月上旬からは、N-TRANSFERを使ってデジタルフォトフレームと、あるサービスの連携を実現するという。「パソコンの起動や操作に煩わしさを感じている人も、光回線を用いてクラウドサービスを利用することが当たり前になるライフスタイル」---。この実現が、N-TRANSFERの目指すものだとしている。