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 仮想デスクトップを数万台規模で導入する事例が現れた。Windows 7の評価が進み、多くの企業が次世代のデスクトップ環境を検討開始。ユーザーのデスクトップ環境を一元管理できる「サーバーサイド・デスクトップ」への注目が高まってきた。オフィスやモバイル、自宅のデスクトップ環境を一つにまとめる。仮想デスクトップはワークスタイル変革の基盤を担う。

 いつでも、どこでも自分仕様のデスクトップが利用できる──。そんな理想が仮想デスクトップで現実味を帯びてきた。

 ソフトバンクテレコムは仮想デスクトップの導入に合わせて、7月から営業社員2000人にタブレット型パソコン「iPad」を配布。営業社員は、オフィスでは共用PC、外出先ではiPadやiPhone、自宅では個人持ちのPCから、自分のデスクトップに接続可能だ。

 同社は、仮想デスクトップを、新たなワークスタイルの基盤と位置づける。「単に新しい端末を入れて終わりではなく、それで働き方がどう変わるか。生産性がどう上がるかという視点が大切だ」(営業推進本部の清水繁宏 副本部長)。

 仮想デスクトップは、サーバーを仮想化して各ユーザーに仮想マシンを割り当て、そこでクライアントOSやデスクトップアプリケーションを動かす。アプリケーションを仮想化する「Citrix XenApp」などに比べると、利用可能なアプリケーションに制約がないといった利点がある。ユーザーの手元にある端末には、仮想マシンと通信するための画面転送ソフトが入っていればよい。

数万台規模の導入プロジェクト

 三菱東京UFJ銀行が6万台、東京海上日動火災が3万台、AIGエジソン生命保険が4000台──。本格的な導入プロジェクトが相次いでいる。

 「サーバーサイド・デスクトップ」ともいえる仮想デスクトップは、集中管理を可能にすることで、様々なメリットをもたらす。三菱東京UFJ銀行は、これまでに3000台のパソコンを仮想デスクトップに移行。各ユーザーのデスクトップ環境をサーバー側で一元管理することで、ソフトのバージョンアップやパッチ適用といった手間を大幅に軽減した。

 プロジェクトを率いるシステム部の徳永瑞彦 上席調査役は「ウイルス対策ソフトのパターンファイルを、サーバー側で一括更新できるようになった。これでパターンファイルの更新漏れがなくなる」と話す。しかも、ウイルスチェックは始業時間前に終わっているので、端末の起動時間は2分程度で済む。

 従来は、各PCが起動時にパターンファイルを読み込んでスキャンを行うため、非力なPCではログオンに10分かかるケースもあった。仮想デスクトップ導入で、管理面だけでなく、ユーザーの利便性も向上させたわけだ(図1)。

図1●三菱東京UFJ銀行はセキュリティ対策を効率化
図1●三菱東京UFJ銀行はセキュリティ対策を効率化
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