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 任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)はソニーのウォークマンなどとともに、戦後の歴史に残る商品だ。海外でも「Nintendo Entertainment System(NES)」として知名度は高い。一時は“日本の顔”と言っても過言ではない存在だった。

 この本は「シューティングゲームプログラミング」など、数々のゲームプログラミング書籍を執筆してきた著者2人によるファミコンの技術解説書だ。ファミコンやファミコンゲームで使われていたテクノロジーに関しては、これまで断片的には紹介されてきたものの、本書のようにまとまった形になるのは初めてではないだろうか。「この21世紀にいまさらファミコンなんて…」と思うことなかれ。温故知新の言葉通り、この本にはプログラミングに役立つアイデア、そして8ビット~16ビットパソコン時代にゲームなどを作っていた人にとっては懐かしい話題が満載である。「ドルアーガの塔」の迷路生成アルゴリズム、と言えば「読んでみたい」とあなたも思うだろう。

 当時のゲームがなぜ○○だったのか、ということを技術的に説明している点も興味深い。例えば、RPG(role-playing game)はなぜ4人パーティが多かったのか(水平方向に同時に表示できるスプライト数の制限から)、「スーパーマリオブラザーズ」の独特なデザイン(使えるパターン数とパレット数の制限から)、なぜ弾の方向が8方向や16方向に制限されているゲームが多かったのか(整数だけで簡単に計算できるから)などだ。

 昨今はスマートフォンの隆盛で、再び省メモリーと最適化が身近な話題になってきた感がある。iOSやAndroidのプログラマにもお薦めしたい。

ファミコンの驚くべき発想力

ファミコンの驚くべき発想力
松浦健一郎/司ゆき著
技術評論社発行
1449円(税込)