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省電力化

図8●アイドル状態での電力消費
図8●アイドル状態での電力消費
Red Hat社がNehalem EPで計測。

 クラウドコンピューティングで重要になる省電力機能も大幅に強化された。既に、RHEL5.4から5.5の間で電力消費が20%減少していたが、RHEL6ではさらに20%減少しているという検証データが出ている(図8)。RHEL5.4とRHEL6を比較するとアイドル時の消費電力の1/3が削減可能だ。RHEL6で追加された省電力の仕組みとツールを解説しよう。


C2/C3/C6ステート対応に

図9●省電力機構「ACPI」の概要
図9●省電力機構「ACPI」の概要
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 電源管理の規格である「ACPI(Advanced Configuration and Power Interface」の中でも、CPUの消費電力状態を表現するものに 「Cステート」という仕組みがある。Cステートには、C0、C1、C2、C3、C6という5つの状態があり、C0が通常の稼働状態を表す(図9)。

 RHELはこれまでC0/C1 ステートまでしか利用していなかったが、RHEL6では消費電力状態の中でも大きく電力消費を抑制できるC2/C3/C6ステートに移行できるようになった(Deep C-state対応と呼ぶ)。そのため、マルチコアプロセッサを利用する場合でピーク時とオフピーク時が明確に分かれているシステムでは、消費電力の大きな削減効果が見込まれる。

PCI ExpressのASPM対応

 パソコン向けシリアルインタフェース「PCI Express」接続の増設カードに対する省電力機能「ASPM(Active State Power Management)」も、RHEL6で利用可能になった。

 PCI Expressで接続されているデバイスは常時電力を100%必要とするものばかりではない。例えば、ディスクI/Oが少ないときはRAIDカードの消費電力は下げられるだろうし、ネットワークI/Oが少ないときはネットワークカードの消費電力は下げられるはずだ。

図10●PCI Expressの省電力機構「ASPM」の概要
図10●PCI Expressの省電力機構「ASPM」の概要
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 最近のRAIDカードやネットワークカードの消費電力は意外と大きく、専用処理のチップとして組み込みのPowerPCやMIPS、ARMベースの1GHzデュアルコアチップが搭載されているものまで製品として出ている。小さなコンピュータ並みだ。

 ASPMでは、PCI-Express 2.0規格のカードに対し、L0、L0s、L1という3段階の省電力モードの状態を定義し、消費電力の細かな管理が可能である(図10)。

SATAのためのALPM対応

 RHEL6では、CPUやPCI Expressカード以外にSATAケーブルに流れる電力を抑制する「ALPM(Aggressive Link Power Management)」にも対応した。ALPMはハードディスクを接続する SATAコントローラの規格である「AHCI(Advanced Host Controller Interface)」1.3で定義されている省電力機能である。

 実装は極めてシンプルで、使っていないSATAポートに対して給電を止めるという仕組み。これによりデバイス当たり0.5W~1.5Wの省電力化を実現する。