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 携帯電話やテレビなど電子端末のハードウエア面に造詣が深い著者が、デジタル家電の競争力について考察した書。前半は、世界中でヒットしているアップルのiPhone、iPadを中心に取り上げ、「安く作って、高く見せる」製品作りの秘密や、日本製携帯電話との違いに焦点を当てる。搭載するカメラや機械的な強度、アンテナの設計など個々のパーツごとに最高の品質を追求してしまう日本メーカーと、画面のタッチ操作の使い勝手にこだわり、それ以外はあえて及第点であれば良いとするアップルとを見事に対比する。双方ともに製造現場を精力的に取材していることが伝わる筆致だ。

 後半は、テレビやゲーム機、パソコンまで対象を広げ、「競争ゲームのルールの変更」が栄枯盛衰を左右すると主張する。全般に筆者独自の見解は抑えめだが、最後に日本メーカーは官能に訴える操作感やデザインで強みを発揮してほしいと、エールを送る。

世界で勝てるデジタル家電

世界で勝てるデジタル家電
西田宗千佳著
朝日新聞出版発行
777円(税込)