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 ガジェットなのか新種のパソコンなのか、そのOSや独特のフォームファクターゆえにどの既存製品カテゴリーにも入らないと言われる「iPad」。2010年はこの端末の登場によってタブレット型コンピュータという新市場が誕生した。

 米国の調査会社Gartnerによると、iPadに代表されるようなコンテンツ消費型タブレットの世界販売台数は、2010年の1950万台から、2011年には5480万台となり、2012年には1億300万台、2014年には2億800万台にまで達する。毎年2倍以上という勢いで加速していくという予測だが、Gartnerが根拠としているポイントは二つある。

 一つはネットブックの衰退だ。企業や消費者向けパソコンの市場には、文書作成や表計算などを行う1台目のパソコンのほか、ネット閲覧やデジタルコンテンツを消費するための2台目以降の需要があり、これまではネットブックがその役割を担ってきた。その市場でタブレットが台頭してくると同社は予測している。

 二つ目のポイントはライバルメーカーの登場だ。今年4月3日に発売したiPadは9月末までで累計750万台を売り上げており米Appleの快進撃が続いているが、iPadの成功に続けとライバル各社が市場に参入してくるのだ。iPadの対抗馬と言えるのは今のところ韓国Samsungの7インチ型端末「GALAXY Tab」や米Dellの5インチ型「Streak」といった程度。しかし2011年になるとこの状況は一変する。カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry PlayBook」、米Cisco Systemsの「Cius」のほか、中国Lenovo Group(聯想集団)や韓国LG Electronics、台湾Acerなどが市場参入を表明している。

 iPadの価格は499ドルから829ドルと比較的高価だが、こうしたライバルメーカーが参入することで今後2年間で平均価格は300ドル以下になるとGartnerは予想している。多種多様な製品が登場し、幅広い消費者層に普及していくという。

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iPad成功の要因とは?

 ただ、別の調査会社、米iSuppliによるとiPadの躍進はしばらく続く見込みだ。2010年の世界タブレット市場におけるiPadのシェアは74.1%。2011年には競合製品が数多く登場するが、それでもiPadのシェアは70.4%、2012年になっても61.7%とほぼ3分の2を占めると予測している。

 iSuppliの説明によると、Appleの強みは「ハードウエアから、OS、アプリケーションなどを連携させた製品の完成度」。今後ライバル各社もサービスやコンテンツに力を入れるが、それらを構築するには時間がかかることからAppleの独走は当面続くとしている。

 Appleの「iOS」用のアプリ登録数は現在約30万本。これに対して米Googleの「Android Market」の登録数は約10万本。アプリにはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やゲーム、ビジネス、電子書籍、定期購読の雑誌やニュースなど、多種多様なものがあり、コンテンツ消費型のデバイスを取り巻く生態系(エコシステム)を形成しているが、iOSとAndroidの間には今のところその規模に大きな差がある。

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