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 共用レンタルサーバー並みの価格で、専用サーバー並みの自由度を備えた格安VPSが注目を集めている。今回、今秋からメニューを相次ぎ強化した、さくらインターネットとDTIのサービスについて実力を試した。

 月額1000円を切るVPS(仮想専用サーバー)サービスに、国内ホスティング事業者が力を入れている。日本ラッドやドリーム・トレイン・インターネット(DTI)が今春から月額400円台のサービスを開始し、さくらインターネットもこの9月に月額980円で参入した(表1)。

表1 国内で月額1000円未満の主なVPSサービス
表1 国内で月額1000円未満の主なVPSサービス
Linuxサーバーとして使えるサービスを示した。初期費用と月額利用料は10月末時点の料金。
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 VPSは、物理サーバー上で複数の仮想サーバーを動かし、ユーザーごとに割り当てるサービスだ。一般に月額1万円はする専用レンタルサーバーと同様に、ユーザーが管理者となって自由にサーバーを運用できる。一方で料金は共用レンタルサーバー並みに安い。昨年までVPSは海外のサービスが主流だったが、国内事業者の相次ぐ参入で注目を集めるようになった。

さくらのVPSはコマンド操作が基本

 もともとレンタルサーバーを活用しているユーザーはもちろん、家庭内にある自作サーバーの電気代や騒音に悩む“自宅サーバー派”のユーザーも、気になるサービスだろう。

 そこで今回は「さくらのVPS」と「ServersMan@VPS」を実際に試してみた。まずはさくらのVPSである。「VPSコントロールパネル」という管理画面にログインし、サーバーを起動する。停止、再起動、OS再インストールなどもできる(写真1)。サーバーのリソースをモニタリングする機能もある。

写真1 さくらのVPSの管理画面
写真1 さくらのVPSの管理画面
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 では、仮想サーバーを使ってみよう。ユーザーは基本的にSSHクライアントでリモートログインして操作する。ただし初期設定ではroot権限でログインするので、一般ユーザーを作成してパスワード認証から公開鍵認証へ切り替える、root権限でのリモート接続を無効化するといった設定を施す。

 なおVPSコントロールパネルで「リモートコンソール」の画面を開くと、ブラウザ上にコンソール画面が表示され、コマンド操作ができる(写真2)。

写真2 Javaスクリプトで動くコンソール
写真2 Javaスクリプトで動くコンソール
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 次いでサーバーのスペックを表示してみた。SSHクライアントのコマンドラインで「less /proc/cpuinfo」と実行すると、「Intel Core2 Duo CPU T7700 @ 2.40GHz」のデュアル構成と表示された。実際のマシンには別のCPUを搭載したサーバーを設置しているようだが、2コアを割り当てており操作は軽快である。SSHの感覚的な応答速度は家庭内にあるサーバーを動かすのとほぼ同じだった。

 ネットワーク速度はどうか。およそ700MバイトあるLinuxディストリビューションのイメージファイルをダウンロードする際のスループットは、平日19時頃で12M~17Mビット/秒程度あった。

 ソフトウエア環境を見ていこう。「cat /etc/redhat-release」で調べたところ、標準では64ビット版のCentOS 5.5が動作していた。

 KVM上で仮想サーバーを動作させていることもあり、ほかにも様々なOSが使える。Ubuntu 10.04、Debian GNU/Linux5.05、Fedora 13、FreeBSD 8.1の、それぞれ32ビット版と64ビット版をユーザーが自分でインストールできる。

 なお初期状態でインストールされているアプリケーションはSSHサーバーとsendmailだけ。言語はPerlとPythonが組み込まれている。使いたいサーバーソフトはコマンドラインで一つひとつ追加していこう。