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未来のインターネットはどんな姿になるの?

(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

  今回の回答者:
原井 洋明
情報通信研究機構(NICT)
新世代ネットワーク研究センター
ネットワークアーキテクチャグループ
グループリーダー

 インターネットは利用が広がる一方で課題も見えています。その課題を解決する新しいネットワークが,日本をはじめ世界で検討されています。日本で検討しているものを「新世代ネットワーク」(NWGN)といいます。新世代と名付けたのは,次世代ネットワーク(NGN)との違いを明確にするためです。欧米では「Future Internet」と呼ばれています。

 まずはインターネットの主な課題を具体的に見てみましょう。直面している大きなものとしては,(1)トラフィックの増加,(2)通信装置が消費する電力の高さが挙げられます。また,生活を全面的にサポートするといった使い方の実現も課題の一つです。

 こうした課題を解決するため,新世代ネットワークは現行の改良ではなく,「こうあるべき」という理想の形を設計しています。

 技術的には,光ルーターや仮想化技術,センサー・ネット技術を使うのが大きなポイントです。光ルーターとは,光信号を電気信号に変換せずにそのままルーティングできる装置のことです。大容量の通信が可能になるだけでなく低消費電力で動作するので,(1)と(2)の課題を解決できるようになります。仮想化技術は,一つのルーターの資源を異なるプロトコルで使えるようにするため,柔軟なサービスを提供できます。センサー・ネット技術は,多くのセンサー情報をサーバーに集めて処理することで環境保全などに役立てます。

 さまざまな便利な機能もあらかじめ組み込む予定です。例えば,動画のやりとりには専用のパスを使い,帯域を保証した通信ができるようにします。

 現在はネットワークの設計段階ですが,2011年には装置の試作を始め,検証していきます。また,インターネットは世界規模のものなので,他の国・地域の研究者とも協力して実装する予定です。