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 総務省の「フューチャースクール推進事業」の実証実験を東日本地域で請け負うNTTコミュニケーションズは2010年12月17日、東京都葛飾区の本田小学校で公開授業を実施した。公開授業には、実証実験で使われている教育市場向けタブレットPC「CM1」を東芝と共同で商品化した米IntelのJohn E. Davies副社長も参加した。

授業の様子
授業の様子
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 本田小学校では2010年8~9月にかけて無線LANやインタラクティブ・ホワイト・ボード(IWB)の設置などの環境整備を行い、10月から1人1台のタブレットPCを用いた授業を実施している。導入した設備を授業にどう活用するかは各教員に任されていることから、利用状況は教員ごとに異なるものの、活用例が増えるにつれ全体的に利用頻度が高まりつつあるという。今回授業を見学した小学4年生のクラスでは、平均すると1日6時限ある授業のうち1時限の割合で、タブレットPCを積極的に利用しているという。

 この日は、小学4年生の「総合学習」と「国語」の授業でPCを活用している様子が公開された。総合学習の授業では、生徒が知りたいテーマをそれぞれ紙に書き出し、その紙を生徒同士で交換して、もらった紙に書かれているテーマについて調べた。生徒たちは慣れた手つきでPCを起動し、Webブラウザーにキーワードを入力して、各テーマについて調べていた。国語の授業では、電子メールの出し方について、IWBを使って手順や相手を不快にさせない表現などについて学習した。その後実際に各自のPCから、隣の席の生徒にメールを出す作業を行った。

 勉強にPCを使うことについてある生徒は「文字入力がまだ遅く思い通りにいかないことがあるが、インターネットで知りたい内容を見つけられると嬉しい。自宅に持ち帰って、宿題をするときに使えたら便利と思う」と感想を述べた。現在タブレットPCの持ち帰りは実施していないが、実証実験を請け負うNTTコミュニケーションズは、今後こうした使い方についても検証を行う方針という。

誤認識、少ない子供向けWebサイトなど課題も

 米IntelのJohn E. Davies副社長は、教育市場向けタブレットPCが実証実験でどのように使われているのかを確認する目的で公開授業を見学した。Davis副社長は公開授業について「生徒たちは自信を持って、楽しみながらPCを使っていた。先生は一方的に教えるのではなく、生徒がやりたいことの手助けをしていた。『聞くだけでは忘れるが、見れば覚え、手を動かせば理解する』ということわざがあるが、まさにそれを実践しているようだった」と感想を述べた。

 見学終了後に行われた意見交換では、現場が感じる課題を中心に様々な意見が出た。本田小学校では文字入力の方法として、将来性を考えてローマ字入力を優先して教えている。しかしローマ字は小学4年生の学習項目なので、低学年のクラスでは文字認識による入力も利用する。この場合、入力時の反応が悪かったり、誤認識が起きる問題があるという。子供向けアプリケーションの中にはひらがなの一覧表から文字を選んで入力できるものがあり、同様の機能を標準的に利用したいという意見があった。このほか、インターネットで調べものをする際に子供でも分かるように解説しているWebサイトが少ない、タブレットPCの重量は軽い方がいい、などの意見があった。

 一方米IntelのDavis副社長からは、教育の情報化について積極的に取り組んでいる海外の団体との交流を行ってはどうかといった提案があった。