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2010年2月に経営破たんし、会社更生手続きを進めてきたウィルコム。同年11月末に更生計画の認可を受け、ソフトバンクグループの一員として生まれ変わった。他社端末あての通話も定額にするという新サービスを切り札に、再建への一歩を踏み出した。今後は、ソフトバンクグループの商材を組み合わせた法人サービスも展開していく。

写真1●ウィルコムの新体制がスタート<br>新生ウィルコムの社長に就任したソフトバンクの宮内謙取締役(左)と、CMキャラクターに就任したタレントの佐々木希さん(右)。
写真1●ウィルコムの新体制がスタート
新生ウィルコムの社長に就任したソフトバンクの宮内謙取締役(左)と、CMキャラクターに就任したタレントの佐々木希さん(右)。
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 会社更生計画の認可を受けた翌日に当たる2010年12月1日、ウィルコムが久々に表舞台に姿を現した。新生ウィルコムの代表取締役社長には、宮内謙ソフトバンク取締役が就任(写真1)。ソフトバンクの100%子会社となり、ソフトバンクグループの4番目の通信会社として再起の一歩を踏み出した。

 そしてこの日、新生ウィルコムの目玉サービスとして、国内の固定電話、他社携帯電話あての通話料が定額扱いになる「だれとでも定額」を発表した(表1)。自社のユーザー間の通話定額サービスは、これまでソフトバンクモバイルやKDDIなども提供している。だが他社あても含めた通話定額サービスは国内初。法人ユーザーにとっても魅力的なサービスだ。

表1●新生ウィルコムの新サービス
表1●新生ウィルコムの新サービス
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「収支はプラスになる」

 だれとでも定額は、基本料金(新ウィルコム定額プランSの場合、月額1450円)に月額980円を追加で支払えば、国内の携帯電話、固定電話あての通話料金はかからないというサービス。ただし1回の通話は10分以内、月500回までという制限が付く。

 だれとでも定額は、かねてからウィルコム内で暖められてきた「起死回生の切り札」だった。2010年5月からは沖縄や北海道など一部地域で試験導入を進めてきた。

 他社あての通話を無料にすると、通話先の事業者へ支払う接続料(アクセスチャージ)がそのままマイナスとなり、採算割れのリスクがある。だが実際は「きちんと収益が出る」(宮内社長)仕組みになっているという。

 その仕組みはこうだ。ウィルコムのユーザーは、もともとウィルコム同士に閉じた通話が多かったという。だれとでも定額によって他社にも電話をかけるようになると、他社の電話からの着信も増える。「他社からの着信による接続料収入が大きく増える効果がある」(ウィルコムの寺尾洋幸マーケティング本部長)。シェアが少ない事業者ほど他社からの着信の割合が大きくなることもプラスに働く。さらには10分間を超えた通話による従量課金の収入の効果も見込める。こうした収入分を加味することで、収益をプラスにできる道筋ができる。実際に試験導入でそれが裏付けられたという。

ソフトバンク流の法人サービスも

 だれとでも定額は、コンシューマーに加えて法人もターゲットにしている。だれとでも定額とソフトバンクの商材と組み合わせた法人向けサービスを続々投入予定という。

 例えば2011年1月には、ソフトバンクテレコムの直収電話サービス「おとくライン」とウィルコムのPHS間の通話を定額とするサービスを開始する。今後は法人向けに、ソフトバンクモバイルの携帯電話からウィルコムのPHSあての通話を定額化するサービスも「出していきたい」(宮内社長)という。法人契約したソフトバンク携帯とPHSの間の通話定額をイメージしているようだ。

 運用管理をサポートする「ウィルコムビジネス・コンシェル」も2011年に開始予定。ソフトバンクテレコムは既に同様のサービスを提供している。新生ウィルコムは着々とソフトバンク色に染まりつつある。