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 HTML、DOM、CSS、SVGなどの技術仕様の改定により、フロントエンドの表現力や処理の柔軟さは見違えるようになりましたが、いまだ策定中の技術もまだまだあります。それらは内容も不確定でThe Shodo画面1注1)の制作には利用できませんでしたが、今後、期待される有用な技術です。実運用された際にWebサイトとその開発がどのように変わっていくのか、今から考えておくべきものです。

画面1●The Shodo
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 ここまで「これからのWeb」を担う技術とその利用法について、The Shodoの実装をベースに解説をしてきました。この回ではThe Shodoでは実装しなかった、さらに先の時代の技術を紹介します。

各種入力デバイス:リアルな体験を演出

 今後期待される技術仕様として、まず各種入力デバイスの対応があります。分かりやすいところでは、マルチタッチデバイスのサポートやペンタブレットの筆圧感知などに代表される、入力デバイスのサポート拡大と標準化です。

 この先、これらが標準化されていくと、書道の作品制作画面(Write)のようなドロー系のツールに導入して書き味をよりリアルにしたり、タッチの仕方や筆圧によるアナログ入力を行えるユニークなコントロールを作成することができます。

 実現には入力デバイスと入力内容を認識する仕組みが必要ですが、入力側についてはスマートフォンやタッチディスプレイ、ペンタブレットが既にいくつも製品化されています。

 一方、認識の仕組みについては、統一された規格、特にWebサイトでの利用を主に考えられた標準仕様はまだありません。現在でもプラグインの導入やOS、ブラウザの独自の実装によりWebサイトでも利用することが可能ですが、The ShodoではWeb標準技術として根付く見込みが強いものを意識しており、現段階では取り入れませんでした。しかし、PCやモバイルを利用する場所や状況、端末の表示領域に合わせた入力操作の方法は多様化する一方であり、今後も仕様策定の需要が拡大していく見込みです。

 入力デバイスと呼ばれるものはほかにも様々な種類があり、カメラからの映像入力、マイクからの音声入力もその中に含まれます。こちらは2010年後半からHTML Deviceとして、W3Cによる仕様策定が始まっています。現在はWHAT WGのサイトに掲載されているWeb Applications 1.0のdevice要素として内容を見ることができます。

 HTML5に導入されたメディア系の要素であるvideoとaudioは、出力のために用意されているもので、あらかじめエンコードされたメディアファイルをアップロードしておく必要があります。リアルタイムなストリーミング配信をする場合も、専用のアプリケーションやFlashを通してサーバーにアップロードする必要があり、HTMLやJavaScriptだけでは映像や音声の入力を行うことはできません。

 device要素はHTMLとJavaScriptで各種デバイスからの映像・音声入力に対応したもので、取得した内容をvideoやaudioのような要素に直接反映したり、現在の仕様ではDOMインターフェースを使用して記録したデータをサーバーに送信することも可能になるようです。

 メディア情報の入出力がどちらもサポートされると、Web会議システムなどのコミュニケーションツールや、映像の解析処理と組み合わせて人間の動きによってグラフィックが変化するようなコンテンツ、音声と言語解析の知識と技術があれば翻訳やボイス入力操作の実装も、HTMLとJavaScriptで開発できるようになります。