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米IP Devices代表
岸本 善一

 スマートグリッドにおいて情報がネットワーク上をどう流れるのか。その概念的なモデルを米国立標準技術研究所(NIST)が作成している(図1)。

図1●情報流通モデル
図1●情報流通モデル
出典:国立標準技術研究所(NIST)

 一見複雑に見えるが、簡略化すればこのモデルは6つの要素で成り立っている(図2)。「カスタマー」「サービスプロバイダー」「オペレーション」「マーケット」「発電」「送配電」である。

図2●情報流通モデルの主要概念
図2●情報流通モデルの主要概念

 発電された電力は送電網と配電網を経てカスタマーに提供される。これは電気を流す経路だ。これだけでは物理的に電気が流れる経路を確保しただけだけで、円滑な電力の供給は保証されない。この経路に沿って緑で示したWANやフィールド・エリア・ネットワーク(FAN)を設け、電気の流れや電力量、電力網の状態のデータを伝達する。

 さらにマーケット、オペレーション、サービスプロバイダーという3つの要素が加わることで、消費者への安定した電力供給が実現する。オペレーションは送配電がスムーズに行われるように監視・制御する。マーケットは、刻々と変化する電力料金の設定や電力確保をサポートする。サービスプロバイダーは、カスタマーに各種サービスを提供する。各種サービスとは、課金や請求書の発行、エネルギー効率化のアドバイスなどが含まれる。こういった情報は主に黄色で示したインターネットやeコマースを介して流通する。

 これから数回にわたって、概念モデルを構成する各要素の詳細とその関係について解説していく。まずはカスタマー要素から。以後、サービスプロバイダー、オペレーション、マーケット、発電、送配電と続ける予定だ。最後にSGIP(The Smart Grid Interoperability Panel)での標準化の活動とセキュリティについて触れる。