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写真●ヤマトホールディングスのCIO(最高情報責任者)に当たる小佐野豪績執行役員事業戦略・IT戦略担当<BR>(写真撮影:稲垣 純也)
写真●ヤマトホールディングスのCIO(最高情報責任者)に当たる小佐野豪績執行役員事業戦略・IT戦略担当<BR>(写真撮影:稲垣 純也)
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 「ヤマトグループでは持ち株会社体制への移行後、IT(情報技術)ガバナンスが利きにくくなっていた」。ヤマトホールディングスのCIO(最高情報責任者)に当たる小佐野豪績執行役員事業戦略・IT戦略担当はこう打ち明ける。

 小佐野氏はヤマト運輸の情報システム部門で基幹情報システム構築に携わった後、2005年からグループ会社へ出向。ヤマトリース、ボックスチャーターの2つの会社で代表取締役社長を務めた。ヤマトグループは同じ2005年に持ち株会社体制に移行し、ITに関する権限もグループ各社に委譲した。

 小佐野氏は「ITに詳しい経営者」として、2社で情報システム関連施策を推進した。小型トラックのリースと法人向け小口輸送の分野でITを核にしたビジネスモデルを確立。その後、2010年4月にヤマトホールディングスの執行役員として復帰した。

 持ち株会社の目線から、ヤマトリースなども含めて40社以上あるグループを俯瞰(ふかん)したとき、今度はグループ各社のIT投資の巧拙にバラツキがあることが見えてきた。「いきなり権限委譲したため、ITベンダーとの付き合い方などに精通した人材がいないグループ会社では、投資対効果を見極めることなく過剰な品質のシステムを導入するなど、様々な問題が起きていた」(小佐野氏)

 小佐野氏がCIOとして注力しているのが、ITベンダーへの発注手順や投資対効果測定基準などを明示して、グループ各社にITガバナンスを利かせることだ。ITベンダーをきちんとふるいにかけずに選定していたり、「24時間365日稼働」など過剰な品質のまま運用したりしている例を見つけては、見直す取り組みを進めている。

 小佐野氏はヤマト運輸の情報システム担当者として、また経営者として、ITと深くかかわってきた。「ITベンダーは都合の良いことしか言わない。良い話には裏があることも多い。デメリットをきちんと説明できるITベンダーのほうが信頼できる」と話す小佐野氏は、既存大手ITベンダーにとっては手ごわい存在だろう。

Profile of CIO
◆経営トップとのコミュニケーションで大事にしていること
・瀬戸さん(瀬戸薫代表取締役社長、2011年4月に代表取締役会長に就任予定)とは席が近いので、普段から積極的に“世間話”をするようにしています
・ただし、何かを決めてもらうときには、世間話とは区別して、必ず社長室で時間を取ってもらって話します。ほとんどNOとは言わない人です

◆ITベンダーに対して強く要望したいこと、IT業界への不満など
・当社にとってデメリットになることをはっきりと言ってほしいと思います。製品・サービスについて都合の良いことしか言わず、とにかく「できます、やります」だけでは逆に不信感が募ります。「○年後には保守期限が切れるので準備が必要です」などときちんと説明してもらえたほうが信頼できるものです
・当社のようなユーザー企業の目線に立って話をしてほしいと思います。大抵の場合、ITベンダーの話は技術的にレベルが高すぎます。もっと、我々のレベルにまで下げてもらいたいと思います(笑)

◆普段読んでいる新聞・雑誌
・日本経済新聞電子版、日経産業新聞
・週刊ダイヤモンド、日経コンピュータ
・日経ビジネスアソシエやR25など、少し下の世代向けの雑誌も意図的に読むようにしています

◆最近読んだお薦めの本
・私が読む本はほとんどが経営書です。なかでも『強者のしくみ 論理的思考と全体最適を徹底する会社』(磯部洋著、ダイヤモンド社)は、セブン-イレブン・ジャパンとしまむらの経営スタイルについて書いた本で、「しくみ」を作って成功確率を上げている様子が参考になりました

◆ストレス解消法
・近年は「ボディアタック(エアロビクスに似た筋肉トレーニング法)」一筋で、身体を鍛えています