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 2011年、注視すべきはIFRSにかかわる海外動向だ。日本企業のIFRS対応や強制適用の決定に影響を与える可能性が高い。日本でもIFRSの考え方を反映した代表的な概念「包括利益」が連結財務諸表に適用になる。

 海外動向ほどのインパクトはないにしても、11年にはIFRSと日本基準のコンバージェンスの動きもある。11年3月期からは包括利益の表示に加えて、固定資産の撤去時の費用を事前に計上する「資産除去債務」、経営者の視点での開示を求める「セグメント情報の開示」などの項目が適用になる。

 包括利益、資産除去債務、セグメント情報の開示の各基準はIFRSの「貸借対照表の重視」「投資家への情報開示の強化」といった考え方を反映している。

 11年6月以降はIASBと米国による共同プロジェクトで確定した収益認識やリースに関する日本基準の変更に着手する。日本の会計基準を策定するASBJ(企業会計基準審議会)が11年7月から9月にかけて、主要な会計基準の草案を公表すると発表している。

 IFRS対応プロジェクトを進める際は、コンバージェンスの影響を考慮することも欠かせない。

子会社のシステム状況を把握

図●システム部門が2011年に取り組むべきIFRS対応のポイント
図●システム部門が2011年に取り組むべきIFRS対応のポイント

 システム部門は11年、こうした海外動向に目を向けつつ着手できるIFRS対応作業から実施したほうがよいだろう()。「強制適用が決まった場合、システム部門はその直前から忙しくなる」(デロイトトーマツコンサルティングの安井ディレクター)からだ。

 今すぐ着手できるIFRS対応準備の代表例が、「海外を含めた子会社の会計関連システムの状況調査だ」と安井ディレクターは説明する。連結グループでの対応が求められるIFRSでは、本社だけでなく子会社のシステムに修整が必要になる可能性がある。

 会計方針やシステムの修整内容が決まってから、子会社のシステム状況を調べ始めると、強制適用に間に合うどころか、コンバージェンスへの対応も困難になる恐れがある。

 15年3月期から強制適用になる場合、13年4月に準備を整えておくことが理想的だ。IFRSの動向を注視しつつ、11年にどこまで対応を進めるかを見極めることが重要になる。