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 事業規模が拡大すればするほど、重要性を増すのが情報システムである。製造業であれば生産管理システム、小売業であれば販売管理システムなどは必要不可欠なものだろう。ただ、日本で使っているシステムを単純に中国に移植するのは危険だ、日系企業が中国でシステムを構築・利用する場合に認識しておくべきリスクを紹介する。

リスク6●日本主導が通じぬ

 日本本社が主導してシステム構築プロジェクトを進めると、プロジェクトに参加しているという意識が現地社員の間で希薄になりがちだ。結果として、システムが使われないという事態を招きかねない。クボタは、現地社員を中心としたプロジェクトチームを編成することで、現地社員に「自分たちが実施した取り組み」という意識が生まれるよう配慮している。

リスク7●固有の業務プロセス

 現地固有の業務プロセスの存在から、日本のシステムをそのまま移植しても成功するケースはまれだ。例えば、国際物流を手掛ける佐川グローバルロジスティクスは、中国・上海に設立した合弁会社に数億円を投じて日本の貨物追跡システムを導入したが、固有の業務プロセスの存在などから、カスタマイズが多数必要になった。

リスク8●独自の人事・経理ルール

 システムを構築しようとすると、中国独自の人事・経理のルールに対応する必要がある。日系企業の場合、進出当初は現地の大手パッケージベンダーである用友軟件や金蝶国際軟件が提供するパッケージを導入するケースが多い。独自の人事・経理のルールに対応する機能を標準で備えているためだ。事業規模が拡大してきた段階で、独SAPや米オラクルなどのERP(統合基幹業務システム)パッケージを導入し、独自の人事・経理ルールを作り込むのが一般的だ。

リスク9●要件がすぐに変わる

 経営環境の変化が激しく、要件がころころと変わる中国では、パッケージソフトのアドオン開発は十分な検討が必要だ。現地事情に詳しいITベンダーは「パッケージを導入してから6カ月後にアドオン開発の検討を始めるべき」と指摘する。

リスク10●不正操作

 売り上げデータの改ざんといった不正操作には常に注意しないといけない。新たにシステムを構築する場合は、不正操作があるという性悪説の立場から、こうした行為を防ぐ機能をあらかじめ盛り込んでおく必要があるだろう。