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 日本Androidの会が2011年1月9日に東京大学本郷キャンパスで開催した「Android Bazaar and Conference 2011 Winter(ABC 2011 Winter)」には、約2100のカンファレンス参加者と約300名のボランティアが集まり、日本のAndroidコミュニティの盛り上がりを見せつけた。

 盛り上がっているのは東京だけではない。全国の様々な場所で日本Androidの地方支部などのコミュニティが立ち上がり、勉強会やハッカソンが行われている。

 このシリーズでは、そんな“地方発”の元気なコミュニティ活動を紹介していく。第1回となる今回は「名古屋つくる部」、通称「つ部」のイベントを取材した。

「Hello World!」からテスト自動化まで半日で

 2011年1月15日、名古屋市の愛知工業大学 本山キャンパス。パソコンとAndroidスマートフォンを抱えた約40人の参加者が集まった。「名古屋つくる部」、略して「つ部」が主催し「日本Androidの会 東海支部」と共催した「第1回 名古屋Android勉強会」。Androidアプリ開発を実際に作りながら学ぶというハンズオン講座である。

 告知後ほどなく定員が埋まる人気ぶりとなったこの勉強会は、日本Androidの会 関西支部でシーリス代表の有山圭二氏(関連記事:有山氏が執筆した「Android徹底解説」)が講師を務め、「Hello World!」を表示するアプリの作成から始め、インテントの実装、JUnitを使ったテスト自動化までを半日でこなす濃い内容となった。

 このハードな内容にも関わらず、参加者は脱落者もなく最後までハンズオンをやりとげた。「Androidアプリを開発するのは初めてだったが、すごく勉強になった。これからたくさんAndroidアプリを作ってみたい」(参加者)。
 参加者がハードなハンズオンを完遂できた理由は、著名な技術者である有山氏の講義内容のわかりやすさに加えて、「つ部」のメンバーがチューターとして、参加者が詰まった際に手助けしたことが大きい。「つ部」の中心メンバーはその名のとおり、Androidアプりケーションを作ることに精通した腕利き開発者が揃っているのだ。

 「つ部」のメンバーがPMコードをカメラで読み取ると描いた絵が表示されるAR(拡張現実アプリ)「Feel Scketch」の作者塚田翔也(@gabu)氏。i-Tunesリモコン「mpRemocon」の作者@IoriAYANE氏。GPSの状態をステータスバーから設定できるアプリ「GpsToggle」の作者@leibun氏。通話履歴を表示するアプリ「通話履歴」の作者@tan1234jp氏などなど。

共同開発アプリ「ラーメンタイマー」

 「つ部」が設立されたのは2010年春。「セミナーや講演を聴く勉強会もいいけど、作る勉強会をやりたかった」と、「つ部」設立の“言いだしっぺ”である部長の塚田氏は言う。日本Androidの会 名古屋支部の勉強会で、「『作る会』を設立したら参加してくれますか」という塚田氏が問いかけたところ、会場から何名かの手が上がった。「一緒にに作る仲間が欲しかったのは自分ひとりじゃないんだ」と、塚田氏は感じたという。

 2010年4月に第1回ミーティングを開催し、月に1回程度勉強会を行っている。普通の勉強会だけでなく、温泉で開発合宿を開催したり、公園の滑り台を利用した流しそうめんを行うなど、結束は固い。

 その技術力とチームワークで、メンバーが共同で創り上げたアプリが「ラーメンタイマー」だ。カメラでカップ麺のバーコードを読み取ると、そのカップ麺の標準待ち時間をサーバーから取得し、お湯を注いでタイマーをスタートさせると、出来上がりを知らせてくれる。登録されていないカップ麺はユーザーが登録できる。また好みによってゆで時間を調節することも可能だ。「ラーメンタイマー」は2010年12月31日にAndroidマーケットに公開されている。

 呼びかければ仲間は近くにいる。知識を分け合うことで、仲間は増えていく---「つ部」の活動は、そう証明しているように思える。