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図2-1●身近な場所にある、イーサネット対応のネットワーク機器やサービス
図2-1●身近な場所にある、イーサネット対応のネットワーク機器やサービス
企業のネットワークなどで使われるイーサネット。今特集の3回目と4回目では、そこで利用する身近なネットワーク機器やよく耳にする技術などを紹介する。
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 企業ネットワークのなかには、イーサネット技術を利用したネットワーク機器やサービスが多数ある。部署ごとのパソコンを接続する「LANスイッチ」や、フロアごともしくは拠点ごとのネットワークを束ねる「レイヤー3(L3)スイッチ」、各拠点を結ぶ「広域イーサネットサービス」などだ(図2-1)。

 今特集の3回目と4回目では、このよく知られているLANスイッチとL3スイッチ、広域イーサネットを取り上げる。これらが実際どのように働き、ユーザーにはどんなメリットがあるのか見ていこう。

 LANスイッチは、MACフレームを中継する装置である。「レイヤー2(L2)スイッチ」と呼ぶこともある。利用方法は今特集の1回目で紹介したリピーターハブのように、複数の機器をつなぐために使う。用途は同じだが、現在ではほとんどLANスイッチが使われるようになり、リピーターハブを見かけることはめったにない。それはLANスイッチを使えば無駄なMACフレームの中継を防ぎ、データの送信と受信が同時にできる「全二重通信」が可能になるからだ。送信と受信を相互に行う通信(半二重通信)と比べて、通信速度を向上できる。

テーブルを使って無駄な中継を防ぐ

 LANスイッチは、MACアドレステーブルというアドレス情報を持っている。このテーブルには、各ポートにつながる機器のMACアドレスが保存されている。これを使って中継処理を行う。

 例えば、LANスイッチに4台のコンピュータをつないでいたとする(図2-2)。コンピュータAとコンピュータBの通信の場合、LANスイッチはMACアドレステーブルから、コンピュータAがつながるポート1とコンピュータBがつながるポート2の中継だけをすればよいとわかる。必要のないポート3やポート4にMACフレームを中継しない。ただし、届いたMACフレームのあて先ポートがわからないときは、リピーターハブと同様、すべてのポートに中継する。

図2-2●LANスイッチを使えば全二重通信が可能になる
図2-2●LANスイッチを使えば全二重通信が可能になる
LANスイッチ(スイッチングハブ)は、あて先の機器がつながったポートにだけ出力することで無駄なMACフレームの中継を防いでいる。さらに送信と受信に独立した信号線を使って、送信と受信を同時にできるようにしている(全二重通信)。
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 イーサネットで利用されているケーブルは、内部で送信用と受信用の信号線に分けられている。そこでLANスイッチでは、各コンピュータの送信用の信号線から届いたMACフレームはいったんバッファーメモリーに一時的に保管する。そしてMACアドレステーブルを参照しながら、保管したMACフレームを順番に適切なポートの送信用(コンピュータにとっては受信用)の信号線から送り出す。つまりLANスイッチ内では、論理的にコンピュータ同士の通信は一方通行の専用道路のようになる。これによって、全二重通信が可能になっている。