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村上氏写真

村上 智彦(むらかみ・ともひこ)

 1961年、北海道歌登村(現・枝幸町)生まれ。金沢医科大学卒業後、自治医大に入局。2000年、旧・瀬棚町(北海道)の町立診療所の所長に就任。夕張市立総合病院の閉鎖に伴い、07年4月、医療法人財団「夕張希望の杜」を設立し理事長に就任同時に、財団が運営する夕張医療センターのセンター長に就任。近著書に『村上スキーム』。
 このコラムは、無料メールマガジン「夕張市立総合病院を引き継いだ『夕張希望の杜』の毎日」の連載コラム「村上智彦が書く、今日の夕張希望の杜」を1カ月分まとめて転載したものです(それぞれの日付はメールマガジンの配信日です)。運営コストを除いた広告掲載料が「夕張希望の杜」に寄付されます。

2011年1月10日(新年に向けて)

 夕張で5回目のお正月を迎えました。

 昨年もその前もお正月は大雪が降り、年が明けたとたんに雪かきに追われていたのを思い出しますが、今年はとても穏やかで、良い天気に恵まれました。

 昨年も大変な1年でしたが、スタッフの頑張りと多くの皆様の支援や励ましのおかげで何とか乗り越えることができました。ホームページに「平成22年度を振り返って」という題で写真が掲載されていますので、是非ご覧になってみて下さい。大変だった分、結果が出てきたことには充実感や喜びがあったと思います。

 今年度もおそらくまた多くの困難や予想外の事が起こるのだと思います。しかし、これは何かを変えようとしているのですから仕方ないことなのかもしれません。

 今までのやり方を変えるのに、うまいやり方や適切な時間などは無いと思います。もしあるのでしたらこの町は破綻していません。

 夕張が特殊という方もいましたが、実際ここで起こっていることは日本中で起こっていることの集約で、決して特殊ではないと思います。今までのやり方や考え方では将来に莫大なつけを残してしまい、それに対する無責任な言い訳のように聞こえてしまいます。

 今年は幾つか楽しみなことがあります。

 多職種連携による口腔ケアの実践の結果がまとまり、それを八田先生が英語の論文として発表します。モデルを創るということは、その結果を活字や数値にして残していくという作業でもあります。論文以外にも学会発表という形で多くの職員が仕事を活字化していますので、今年はそれをさらに充実させたいと思います。

 支える医療研究所が出来たことも楽しみになっています。ただその地域で医療を提供して疲弊していくという従来の地域医療ではなく、他の地域や施設を支援したり連携をとったり、地域の研究をしたりなど、医療法人にはできない様々な取り組みにこれからも挑戦していくことになると思います。

 いずれにしても最初に決めた通りにぶれずに進めていきたいと思っています。結果として前のままや以前に戻る提案を聞いていては、いつまでも新しい仕組みは作れませんし、また破綻するだけです。

 「時期尚早という人は100年後も時期尚早と言っている」という言葉を聞いたことがありますが、何かを変える必要がある場合や新しいものを創っていく過程では、チャレンジや悪者になる覚悟が必要なのだと思います。

 また1年間頑張ってみようと思います。そして、その過程や結果をメルマガ、ホームページ、ツイッター等を通じて多くの皆様にお知らせしていきたいと思います。

 いつも読んで下さっている皆様に感謝しながら、夕張の再生に取り組みたいと思います。

2011年1月17日(北大での授業)

 今年初めての外での仕事は、1月13日木曜日の8:45~12:00までの北海道大学医学部の3・4年生約200人の皆さんへの講義でした。私は地域医療学の講義の15コマのうちの2コマを昨年から依頼されていました。

 ちょうどこの日はひどい天候で、いつもは1時間くらいで札幌へ行けるのですが、余裕をもって朝の6時頃に出発しました。ところが、岩見沢まで行く間の道路の雪が案外深くて冷や汗をかきながら走っていきました。岩見沢にやっと着いて高速道路に入ると、今度は吹雪で前が見えません。ゆっくり走って何とか札幌へ着くと、今度は高速道路が閉鎖されていて渋滞に巻き込まれ、北大の駐車場についたのが8:50頃になってしまいました。

 休む間もなく講義を始めました。約3時間の長い講義でしたので「夕張市における地域医療再生」高齢化社会における医療の在り方を考えるという題名で話し始めました。

 前半はほとんど夕張の紹介です。夕張の歴史や財政再建団体になった経緯、現在の姿等、普段撮り歩いている写真をたくさん使わせていただきました。後半は日本の医療の現状、健康について、夕張での取り組みといった話をしました。

 ひどい天候の中、皆さん随分熱心に聞いてくださいました。講義後に配られた出席確認代わりの感想文を、終わってから少し読ませていただき驚いたのですが、白い紙にびっしり感想を書いていた方がたくさんいらっしゃいました。聞いてくださった皆様に感謝です。

 さて、帰りはさらに大変でした。ゆっくり買い物でもして帰る予定でしたが、そんな暇はありませんでした。すでに高速道路は閉鎖されて、下の道路は大渋滞です。午後1時に北大を出て、夕張に着いたのは5時過ぎになっていました。6時間以上車に乗っていたのは久しぶりでしたが、すっかり腰が痛くなってしまいました。北海道に住んでいますと1年に2~3日はこんな日があります。

 今週から東京大学の医学部の学生さん達が1カ月間、夕張医療センターで研修をします。以前に比べると医学部の研修も随分変わってきました。医療の現場での実習が増えてきましたし、今回の私のような現場で働く医師の講義等も増えたように思えます。

 お正月が過ぎてから穏やかだった天候が一変して、豪雪と寒波に大変な思いをしていますが、スキー場は最高のコンディションになっていますし、雪化粧された夕張の風景はとてもきれいです。

 明日は雪かきと車庫の屋根の雪下ろしです。車庫の屋根の積雪は1m以上の厚みになっていて、下ろさないと車庫がつぶれてしまいます。メルマガを書く手を休めて外の寒暖計を見ると氷点下20度になっています。明日はせっかくの週末ですので、雪かきが終わったら写真を撮りに歩く予定です。

 厳しい冬ですが、だからこそ楽しめることもたくさんあります。今年の冬は何回感動する機会があるのか楽しみです。

 皆様も是非最高のコンディションになっている夕張に、スキーをしに来てください。