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 総務省は2011年2月18日、NTT東西地域会社が2011年1月25日に認可申請した「第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更案に対する意見募集」の結果を発表した。意見募集は「平成23年度以降の加入光ファイバに係る接続料の改定」「平成23年度の次世代ネットワークに係る接続料の改定」「実際費用方式に基づく平成23年度の接続料等の改定」の三つの申請ごとに分けて行われ、回線を利用する立場の通信事業者を中心に、コメントが寄せられた。

 このうち、「分岐回線単位の接続料設定」「乖離額調整制度の導入」といった注目トピックのあった「平成23年度以降の加入光ファイバに係る接続料の改定」には、電力系通信事業者やケーブルテレビ事業者なども含む22の意見提出があった。

 「分岐線単位の接続料設定」については、ソフトバンクが事業者の参入意欲を増進させ、競争の活性化を促すとして早期導入を求めた。2008年に同様の議論を行った際にNTTが指摘した「技術面」「運用面」「新サービスの提供」「投資リスク」といった課題については、具体案を示して解決可能だと指摘した。例えば技術面については、OSUの共用実験の結果問題が発生しなかったことや、英国で実際に共用して運用が行われていることなどを示した。また複数事業者で設備を共用することで投資の効率化が図られ、ユーザー料金が低廉化することで需要が促進、投資の早期回収といった好循環が生まれ、投資リスクも軽減されるとした。イー・アクセスも「料金低廉化により利用者利便性の向上につながる」として賛成意見だった。

 これに対し、ケイ・オプティコムやジュピターテレコムは、2008年の議論で分岐線単位の接続料設定を見送った際と基本的な状況が変わっていないことや、公平な設備競争が阻害されることを理由に反対の意見を示した。また日本ケーブルテレビ連盟は接続料を低廉化することそのものは否定しない一方で、設備競争の持続可能性やネットワーク設備の独占傾向の回避などについて十分配慮するよう求めた。NTT東西のフレッツ光で「スカパー!光」を提供しているオプティキャストは、分岐線単位の接続が実現して複数事業者が1本の光ファイバーを共用した場合に放送サービスの不正受信や品質低下が起きる可能性があり、その場合にサービス品質の低下やコストアップが起こるとして、反対意見を提出した。

 今回の申請でNTT東西が求めている「乖離額調整」の制度化についても意見が分かれた。日本ケーブルテレビ連盟やソフトバンク、イー・アクセス、KDDIらは、「接続事業者の予見可能性が損なわれる」「NTT東西にコスト削減のインセンティブが働かない」「NTT東西のコストコントロールが働きやすい」──などを理由として調整に反対の立場を示した。一方で「実績と乖離した場合の補償なので支持する」(ケイ・オプティコム、北陸通信ネットワーク)や、「乖離額調整が発生しない実績原価方式で算定すべき」(ケイ・オプティコム、STNet、中部テレコミュニケーション)といった意見があった。意見募集に応募した事業者らの一部は、2011年2月22日に情報通信行政・郵政行政審議会 電気通信事業部会 接続委員会が実施する事業者ヒアリングに参加し、その場で改めて各論点について意見を述べる予定である。