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 早めに告知することにしたのも、3月末のgooメールのトラブルの反省を踏まえてのことである。実は、gooメールのバージョンアップを利用者に告知したのは開始6日前の3月25日だった。

 告知内容もメールの容量拡張など機能強化点を宣伝する内容が中心だった。新サービスを使う際の注意点や、利用者のPCで変更すべき設定情報についての説明は不足していたという。

 「新サービスの告知から提供開始までの期間があまりにも短かった。利用者に十分な準備期間がなかったことも、今回のトラブルの一因になったと思う」。荻堂事業部長は打ち明ける。

 推奨環境以外の仕様のPCによる動作検証と1カ月以上前に告知するというルールは、2010年5月末にリリースしたgooメールのシンプルモードで実践した。この成果も出ている。「シンプルモードでは大きなトラブルもなく、サービスに対する利用者からの評判も上々だ」と荻堂事業部長は手応えを感じている。

■あのトラブルは今
ユニー、イズミヤなど、「独自システムでネットスーパーを再開」

 2010年7月に起こった不正アクセスによるクレジットカード情報の流出事件で、ネットスーパーのサービスを停止した食品スーパー7社。このうち、イズミヤ、ユニー、フジの3社が共同でネットスーパーのシステムを構築しサービスを再開した。3社のシステムを開発したのは東芝テックである。

 サービス再開で先陣を切ったのがイズミヤである。同社のネットスーパー「楽楽マーケット」は2010年12月9日から兵庫県の一部店舗を対象に再開し、その後徐々にサービス提供エリアを拡大する計画だ。ユニーの「アピタネットスーパー」は2011年2月頃に、フジの「おまかせくん」は2011年春にそれぞれ再開する予定である。

 イズミヤの場合、情報流出事件を踏まえて、既に情報管理体制を改めている。クレジットカード情報を、ネットスーパー向けシステムで保持するのをやめて、クレジット決済代行会社に管理を委託する形態に切り替えた。さらに、会員データを暗号化し、セキュリティの脆弱性診断も定期的に実施するという。

 食品スーパー7社は、ITベンダーのNEO BEATが提供するネットスーパー向けASPサービスを利用していた。不正アクセスによって流出したカード情報の件数は、7社合計で1万2191件である。

(日経コンピュータ2010年9月29日号「動かないコンピュータ」)