PR

 V-High帯を利用する全国向け「携帯端末向けマルチメディア放送」(以降マルチメディア放送)は、現在のワンセグよりも高画質なリアルタイムのストリーミング放送や5.1chサラウンド放送などの高品質なリアルタイム型放送とIPパケットを使った映画や音楽、ニュース、電子書籍といったコンテンツのダウンロード、メタデータを使ったVOD(ビデオ・オンデマンド)など多種多様なコンテンツを受信機に蓄積可能な蓄積型放送との二つの放送サービスが提供される。第3回は、ISDB-Tマルチメディアフォーラムが策定した運用規定案の内容を基に、マルチメディア放送のデータ放送と蓄積型放送運用規定について概要を述べる。

ISDB-Tマルチメディア放送で提供するデータ放送

 ISDB-Tmmによるマルチメディア放送では、リアルタイム型放送の1つとして、データ放送が提供される。このデータ放送は、ワンセグと同様に、データ放送用記述言語(BML:Broadcast Markup Language)を利用し、データカルーセル伝送方式で伝送する。

 データ放送の仕様は、地上デジタルテレビ放送やワンセグなど受信機仕様ごとにプロファイル化が行われている。ISDB-Tmmについても同様に、リアルタイム型放送で提供されるデータ放送の携帯受信機を対象とした「Xプロファイル」を規定した。

データ放送ブラウザと通信ブラザ

図1●データ放送ブラウザと通信ブラウザ間の関係
図1●データ放送ブラウザと通信ブラウザ間の関係
出典:第3編マルチメディア符号化規定
[画像のクリックで拡大表示]

 この放送の受信機は、4つの状態をサポートする。具体的には、放送で送られてきたデータ放送コンテンツとテレビ映像・音声を受信して表示している状態(データ放送受信状態)、放送事業者がインターネット上に用意したXプロファイルに準拠したXプロファイルリンクコンテンツ(1次リンクコンテンツ)を表示している状態(リンク状態)、放送事業者がインターネット上に用意いしたXプロファイルに準拠したXプロファイル通信コンテンツ(2次リンクコンテンツ)を表示している状態(非リンク状態)、通信事業者が提供している各携帯キャリアのHTMLコンテンツ(2次リンクコンテンツ)を表示している状態(非リンク状態)である。

 受信機は、Xプロファイルに対応したデータ放送ブラウザとXプロファイルのBML関連の規定(要素、属性、CSS、DOM、ECMAScriptなど)を包含する仕様を持つXプロファイル通信ブラウザ、通信事業者が定めた仕様に基づき実装された通信事業者仕様ブラウザ、HTMLコンテンツの閲覧を目的に搭載されたHTMLブラウザを実装する。なお、蓄積型放送で提供されるHTMLコンテンツの再生で、HTMLブラウザを併用することもできる(図1)。

 混在表示については、現時点のISDB-Tmm運用規定では、放送番組及びコンテンツの提示中に、それと全く関係がないコンテンツなど、例えば提示中の放送番組の表示にその番組と全く関係が無いコンテンツや告知、広告を意図的に混合、または混在提示しないことが望ましいと記載されている。ただし、受信機の機能として、このような誤解を与えることを目的とせず、ユーザーの操作により複数のコンテンツを一画面に同時提示する事、例えば2画面表示、小画面表示機能はこれにあたらない。

マルチメディア放送用ブラウザ疑似オブジェクト

表●1代表的なマルチメディア放送用ブラウザ疑似オブジェクト
表●1代表的なマルチメディア放送用ブラウザ疑似オブジェクト
出典:第3編マルチメディア符号化規定
[画像のクリックで拡大表示]

 表1に示す通り、同放送固有なマルチメディア放送用ブラウザ疑似オブジェクトが用意されている。リアルタイム型放送で放送されるデータ放送から蓄積型コンテンツで蓄積したコンテンツを参照する場合に利用する"X_TMM_startResidentApp()"関数とISDB-Tmm特有となる受信機又は視聴者を特定するためのコンテンツ参照識別子(CRID)を取得する関数である"X_TMM_getIRDID()"は、必須機能である。それ以外の関数は、オプションである。