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 米国の大手クラウド事業者のデータセンターが、相次いで日本に上陸する。アマゾン・ドット・コムが3月2日に開設したのを皮切りに、マイクロソフトが富士通と共同で早ければ5月に、セールスフォース・ドットコムも年内に開設する計画だ。日本国内のセンターを使うことで、サービスの応答時間が大幅に短縮する。各社は日本のITベンダーと協業し、システム構築支援やサポートなどの付加サービスにも注力する。日本企業のクラウド利用に、一層弾みが付きそうだ。

 各社が日本にデータセンターを開設するのは、「日本国内にデータを保管したいという、顧客企業の要望に応えるため」(アマゾンの子会社アマゾン・ウェブ・サービシズのアンディ・ジャシー上級副社長)である。これまでは海外の大手事業者のデータセンターが国内になかったので、日本企業は彼らのセンターにデータを預けることに不安を感じていた。

 日本にデータセンターを設ける各社は、それぞれに特色を打ち出す()。アマゾンが強調するのは、「処理の応答時間を大幅に短縮できること」(ジャシー上級副社長)。同社のセンターのうち、日本からの応答時間が最も短いのはシンガポールのセンターだった。日本のセンターを使えば、「シンガポールに比べて一桁早い数ミリ秒に短縮できるだろう」(同)。

表●米国の大手クラウド事業者の、日本におけるデータセンター設置状況
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表●米国の大手クラウド事業者の、日本におけるデータセンター設置状況

 日本のセンターでも、仮想マシン貸しの「EC2」やストレージ貸しの「S3」などの主要サービスを利用できる。2月25日に発表した新サービス「CloudFormation」も利用可能だ。これは基本的なシステム構成のテンプレートを使った、システム構築支援サービスである。アクセンチュアやCSK、野村総合研究所などのITベンダーが、これらを使ったシステム構築支援事業を提供する。

 マイクロソフトと富士通のセンターは、「Windows Azure」に基づくサービスを提供するための施設だ。昨年7月に協業を発表し、基盤システムを共同開発している。運営主体は富士通で、群馬県館林市にある同社データセンターを利用する。

 両社は企業向けのサポートに加えて、帳票作成機能や、JavaやCOBOLで開発したアプリケーションの稼働環境など、日本独自のサービスを提供するとみられる。保険会社や自動車会社など、24社が利用を検討しているという。

 セールスフォースはNTTコミュニケーションズと手を組む。NTTコムのセンター内に機器を設置し、同社のセキュリティ関連サ ービスなどを組み合わせて提供する。