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 IT業界でプロとして活躍するには何が必要か。ダメな“システム屋”にならないためにはどうするべきか。“システム屋”歴30年を自任する筆者が経験者の立場から、ダメな“システム屋”の行動様式を辛口で指摘しつつ、そこからの脱却法を分かりやすく解説する。(毎週月曜日更新、編集:日経情報ストラテジー

若手“システム屋”同士の雑談
ダメな“システム屋”の会話 若手“システム屋”A 「東日本大震災の被災地は、復興に向けてこれからが肝心だな。東京でも計画停電や交通機関の不通で業務が混乱したね」
若手“システム屋”B 「そうだね」
若手A 「仕事はどうなってる?」
若手B 「被災地のボランティアに参加している人を除けば、平常通りに戻ったよ」
若手A 「そうか、我々も仕事は仕事としてやるべきことをしっかりやらないとね」
若手B 「ところで、3月11日の地震発生直後はどうだった?」
若手A 「いや、それが、うちのプロジェクトリーダーがちょっと動揺しちゃって」
若手B 「え、そうなの?だってリーダーのX先輩は社内でも優秀だという評判だろ?」
若手A 「普段は冷静で優秀なんだけど・・・」
若手B 「というと?」
若手A 「プロジェクトメンバーに家族の事情で出勤できなくなった人がいて、体制に穴が開いてしまったんだ。X先輩が納期を延期すると決めたところまでは良かったのだけど、周囲から『それは無理だ』という意見が出た途端に、ふさぎ込んじゃって」
若手B 「上がしっかりしてくれないと、下に動揺が広がってしまうんじゃない?」
若手A 「そうなんだよね。X先輩は平時は優秀な先輩なんだけど、非常時はダメなのかもしれない」

ダメな理由:非常時に力を発揮できない

 2011年3月11日午後、宮城県沖でマグニチュード9.0の大地震が発生し、東日本を中心に甚大な被害が出ました。東京近辺でも、コンピュータや機械の動作に必要な電力の不足や、通勤の足の乱れなど、様々な形で影響が及んでいます。

 東日本大震災のような大規模な非常事態だけではなく、情報システム開発プロジェクトには“小さな非常時”が付き物です。もちろん“システム屋”も人間ですから、いかなる非常事態が起きても動じない、というのは無理でしょう。ところが、平時は実力を発揮するのに、非常時になると途端にダメな“システム屋”になってしまう人がいます。

 情報システム開発プロジェクトや運用プロジェクトにおいては、様々な想定外の出来事が起きます。例えば、人員体制に穴が開く、ハードウエア・ソフトウエア製品に欠陥が見つかる、ユーザー企業側で何らかの異変が起きる、あるいは、今回の東日本大震災のような天災もあります。マイナスの出来事ばかりではなく、予想もしなかったようなチャンスが突然訪れることもあるでしょう。

 同じぐらいの優秀さなら、こうした非常時に実力を十分発揮できる“システム屋”は、そうでない“システム屋”に比べて、高い付加価値があります。