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 Internet Explorer(IE)6/7/8の受け皿となるかもしれないのが、SafariとGoogle Chromeである。それを占う大きな鍵となるのは、スマートフォン/タブレットの台頭だ。iPhone/iPadにはSafariが、AndroidにはGoogle Chromeに似たブラウザーが、それぞれ標準で搭載されている。また、FirefoxやOperaにもスマートフォン/タブレット向けの製品がある。ブラウザーのシェア争いは、単にPC上の優劣だけではなく、モバイル端末の普及動向が大きな要因となる。

 スマートフォン/タブレット全体の普及状況はすさまじい。下記に、その実態を挙げてみよう。

2011年の世界スマートフォン出荷台数は5割増へ、Androidがトップに
2010年の世界携帯電話市場、31.8%増、スマートフォンは72.1%増
就活生の約半数はiPhoneを利用、Xperiaは4%---日経HR調査
「ケータイの半数をAndroidに」、KDDIがAndroidスマートフォン3機種とタブレット1機種を発表
iOSの法人アクティベートが50%に、Androidは30%---米調査
欧州のiPhoneユーザー数は1000万人、Androidは25倍増え180万に
タブレット型デバイス市場、年平均57.4%で拡大へ
2010年第1四半期のスマートフォン販売、48.7%増の5430万台に

 そして、IDC Japanが2010年12月に公表した予測によれば、スマートフォンとノートPCの出荷台数は2011年に逆転する。ノートPCがこれまで担っていた役割の一部をスマートフォン/タブレットが代替していくことは間違いない。

 スマートフォン/タブレットに搭載されるSafari、Google Chrome(に似たブラウザー)は、いずれもHTML5対応という観点から先進的とされている。スマートフォン/タブレットからのアクセスを想定すれば、前回紹介したような次世代のWebサイトや業務アプリケーションを今でも実用十分な形で実装できるわけだ。

 しかも、SafariとGoogle Chromeはレンダリングエンジンとして同じWebkitを利用している。そのためわずかな手直しで、iPhone/iPadでも、Android端末でも、PCでも同じように動作することが期待できる。SafariとGoogle Chromeのシェアは合計しても3月末の時点では2割に満たない。しかし、そのシェアは右肩上がりで伸びている。特にGoogle Chromeは1年間でシェアを5%から10%に倍増させた。

Windows Phoneで巻き返し

 一方、マイクロソフトはスマートフォン/タブレット市場で出遅れている。米ガートナーの調査によれば、マイクロソフトのモバイル用OS Windows Mobileはスマートフォン市場でのシェアを8.7%(2009年)から4.2%(2010年)に落としている。

 だが、同社もこの分野で手をこまぬいているわけではない。マイクロソフトはこの2月、携帯電話大手のノキアと戦略提携を行った(関連記事)。ノキアはこれまで投資してきたスマートフォン用のプラットフォームであるSymbian OSMeeGoを捨て、Windows Phone端末に注力することを表明したのだ。そして今後登場するWindows Phoneには、Internet Explorer(IE)9が搭載される。

 日本では、ノキアは2008年に携帯電話市場から撤退してしまった(関連記事)ため直接的なインパクトは少ないとはいえ、世界で見れば依然、携帯電話メーカーとして大手である。その参入は国内の携帯電話メーカーにも何らかの影響を及ぼさずにはおかない。

 Windows Phoneへの期待も一部にはあるようだ。実機に触れたあるエンジニアは「Windows PhoneはWindows Mobileとはまるで別物。少なくとも開発者の目には魅力的に映るのではないか」と語った。

 既存のスマートフォン/タブレットにはいずれも死角がある。iPhone/iPadはApp Storeの制約が大きく、課金などの面で自由なビジネスを展開しにくい。逆にAndroid端末は自由すぎて、あまりにも多種多様な画面サイズや解像度、バージョンが混在する(関連記事)。開発者からすれば、ターゲット端末をどこに設定すればよいかがよく分からない。適度な統制と自由を実現できれば、Windows Phoneが両者の間隙を突く余地は十分にある。