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 巨大地震、津波、原発事故、電力不足や工場の操業停止、物流の寸断など、相次ぎ日本を襲った未曽有の災害は世界のサプライチェーン(調達・供給網)に大きな影響を及ぼし、日本がその重要拠点であることをあらためて浮き彫りにした――。今回の震災を受け、海外メディアはこの4週間、こうしたニュースを報道し続けた。ざっと振り返ってみる。

 地震発生当日から世界のIT業界に及ぼす影響について大きく報じたのは米Wall Street Journal。日本の半導体メーカーの年間収益が633億ドルで、世界市場全体に占めるその割合は20.8%。また日本の電子機器の生産高は世界の13.9%、消費者エレクトロニクス製品の生産高は同16.5%などと伝え、世界のサプライチェーンにおける日本の役割の大きさを伝えた。

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「iPad 2」、日本での発売を無期限延期

 IT分野ではとりわけ米Appleの新型タブレット端末「iPad 2」と震災に関する話題が取り上げられた。Appleは当初、米国に続き日本を含む26カ国で3月25日からiPad 2を販売するとしていたが、震災を受け、日本での一切の催しの無期限延期を決定。これに伴い日本でのiPad 2の発売も延期となった。

 市場調査会社のIHS iSuppliは、iPad 2には少なくとも5つの日本製部品が使われており、Appleは今後部品不足に見舞われると報告した。Wall Street Journalは当初から「完成品の港への輸送や、部品調達、従業員の移動といった点で困難な問題に直面する工場が出てくる」と指摘。米New York Timesも「iPad 2の成功は日本と密接に関連しており、投資家は今回の大震災が同社の生産体制に影響を及ぼすと懸念している」と伝えた。

 New York Timesによると、Appleは恒常的に製品が品薄状態になる企業。それは2004年に発売した「iPod mini」から始まっており、2007年発売の「iPhone」でも同様の問題に直面した。iPad 2も米国で品薄状態が続いており、もともと製品在庫が少ない同社にとって、今回の状況は事態をさらに悪化させ、その影響は今後数カ月後に顕著になるとアナリストらは指摘した。

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