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 世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、会員数5億人以上を誇る米フェイスブック(Facebook)の誕生・成長物語をまとめた。

 著者はIT(情報技術)業界の取材経験が豊富なベテランジャーナリスト。フェイスブックCEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグ氏をはじめとして100人以上の社員・関係者への取材を基に執筆している。全体的に同社の革新性に対して肯定的な論調ではあるが、創業メンバー間で起きた訴訟や、初代社長の不祥事、プライバシー侵害の問題など、負の側面に関する記述も多い。泥臭い起業物語として読み応えがある。

 一方で、インターネットを核としたIT業界の変化について学ぶ教科書としての読み方もありそうだ。特に、既存の覇者であるマイクロソフトやグーグルとの関係が詳しく描かれていて興味深い。2社とも早期にフェイスブックの可能性に気づき、契約や出資などで自社に取り込もうとしているが、ザッカーバーグ氏はこれを巧みにかわしつつ独立性を守る。同氏が利用者の利便性向上に徹することで「人と人のつながり」「共有」のプラットフォームを握ろうという考えを貫徹する様子がよく描かれている。

フェイスブック 若き天才の野望

フェイスブック 若き天才の野望
デビッド・カークパトリック著
滑川 海彦/高橋 信夫訳
日経BP社発行
1890円(税込)