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 パーソナルPMとは、個人の活動にプロジェクトマネジメント(PM)を適用するものです。その全体像を示す「パーソナルPMフレームワーク」を紹介します。

前回の一問一答でパーソナルPMとは何か、大体分かりました。具体的にはどういうことをするのですか。

冨永 全体像を示すために、パーソナルPM研究会でまとめた「パーソナルPMフレームワーク」を紹介します。6つのカテゴリーからなっています。これはパーソナルPMの知恵を蓄積し、共有するための目次ですから、なぜ6つなのかと追及されても困ります。

(1)パーソナルPMの位置づけ認識
 個人が結果を出すためにPMを活用していくには、いくつかの前提を知っていると役立ちます。いわゆるモダンPMはもちろん、プログラムマネジメントもポートフォリオマネジメントも参考にします。前提の一つは、戦略的なゴールを設定するという考え方を持つことです。また、個人のポートフォリオマネジメントとは、個人が行うたくさんの仕事に優先順位をつけるということです。

(2)段取りのマネジメント
 個人プロジェクトには大きなものが少ないので、ほとんどはToDoリストの一項目として管理すれば済みます。ただし大きな個人プロジェクトで、例えば数10時間以上、あるいは100時間以上もかかるようなものは、構想が明確にできた時点で作業を階層構造に分解したほうが、日程の管理がしやすくなります。

ToDoリストは、パーソナルPMの手法なのですか。

冨永 ToDoリストそのものは一般的なものですが、色々と便利に使えますし、工夫を凝らしていくとPMの手法に近づきます。大きな仕事の場合、ToDoリストを階層構造のWBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)に整理すると扱いやす易くなります。案件ごとに作業時間の見積もりや実績を把握するようにすると、EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)に近いやり方になります。WBSもEVMもPMの標準的な手法です。

(3)個人のリスクマネジメント
 個人のプロジェクトといえども不確実性がつきまとうため、必然的な成功に至るためにリスクマネジメントが求められます。ただし、個人の場合は頭の中でシミュレーションし、対策としてすぐできるものを考える、といったやり方が適しています。

(4)自己の動機づけ
 パーソナルプロジェクトに取り組む場合、自分自身をモチベートしなければいけません。自分自身がやる気を出す方法、すなわち内発的な動機づけをどう引き出すか、工夫が必要です。

(5)ステークホルダーへの対応
 自分にとってステークホルダー(利害関係者)は誰かを認識し、相手の立場になって考え、ゴールに賛同してもらい、支援を得る必要があります。

(6)プロフェッショナルコンピテンシー
 コンピテンシーとは「特性」という意味で、生まれつきのものというより、後から獲得できるものです。具体的には「相手の満足」「模範的な仕事」「周囲への良い影響」を追求するということです。これは個人プロジェクトでも組織プロジェクトでも求められます。