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 上場企業の7割超がIFRSへの対応に着手済み。対応を開始した企業のうち6割は知識収集の段階---。昨年末から今年にかけて発表された様々な調査から、企業のIFRSへの取り組み状況が明らかになった。

 IFRS(国際会計基準)強制適用の対象となる上場企業にとって、他社の状況は気になるところだ。東京証券取引所が2010年11月15日に公表した「IFRS準備状況に関する調査結果」では、IFRSへの対応に着手した企業は67.4%。早期(任意)適用に向けた準備を進めている6.2%と合わせると70%を超える(図左)。

図●上場企業のIFRSへの対応状況
図●上場企業のIFRSへの対応状況
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 IFRSの強制適用が開始するのは15年または16年の見込みだが、依然として強制適用するかさえ正式に決まっていない。それでもIFRS対応の準備を始めた企業が主流ということだ。

大企業が積極的に取り組む

 準備に着手した企業に目を向けると、プロジェクトはまだ初期段階といえる(図右)。60%が知識収集の段階で、前期のIFRSに基づいた財務諸表を作成した企業は0.4%にすぎない。

 企業規模別に対応状況を見ると、大企業のほうが準備が進んでいる。大企業が多い東証一部上場企業では78.9%が準備に着手している。新興市場であるマザーズの場合、48.1%と5割を切る。

 IFRS対応プロジェクトは一般に、知識収集後にIFRS適用時の影響分析、IFRSの基準に合わせた具体的な対応策の立案と実行へと進む。11年は知識収集を終え、プロジェクトを本格化して影響分析に入る企業が増えていくとみられる。

 IFRSの適用に備えたIT投資も、企業規模が大きいほど積極的だ。2月2日にガートナージャパンが発表した「国内企業のIT投資動向」では、大企業(社員数2000人以上)の25%が「10年度と11年度の新規・追加投資の主要分野」としてIFRS対応を挙げた。09年の同じ調査では9%だった。企業全体では5.7%で、大企業ほどIFRS対応に関連したIT投資を重視していることが分かる。

<70%超がIFRS対応に着手(後編) に続く>