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 情報システム対応のための平均予算額は1社当たり1億1450万円。課題はコスト負担と人材不足---。前回に続いて、昨年末から今年にかけて発表された様々な調査から、企業のIFRSへの取り組み状況を探る。

図●IFRS対応時の情報システム関連の課題
図●IFRS対応時の情報システム関連の課題
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 IFRS(国際会計基準)対応時に情報システム部門は何を課題と捉えているのか。矢野経済研究所が2010年11月1日に公表した「IFRS関連IT市場動向に関する調査結果2010」で最も多かったのは「コスト負担が大きい」だった(図2)。

 調査によると、IFRSプロジェクト全期間における情報システム対応の平均予算額は1億1450万円。ただし、「回答のバラつきが大きい」(矢野経済研究所の担当者)。回答は100万円未満から25億円まで、幅があったという。

 課題として次に多かったのは、自社だけでなくグループ会社・子会社を含めた人材不足だ。矢野経済研究所の担当者は「調査では『対応は大変』『コストが負担』といったコメントが目立った。確かにその通りだろうが、前向きに考えることも大切。IT投資の優先度を上げるキーワードとして『IFRS対応』を活用し、情報の可視化や企業競争力の向上などに主目的を置いて取り組むべきではないか」としている。

 調査からは、IFRS対応が企業全体の課題になっていることも分かる。監査法人トーマツが11年1月6日に公表した「企業のリスクマネジメント調査(2010年版)」では、276社のリスク管理部門などに「企業が優先対応すべきリスク」を尋ねたところ、「IFRSへの対応遅延」は17%で4位となった。25%で1位だった「情報漏洩」、ともに20%で2位だった「災害対策の不備」と「製品、サービス品質のチェック体制の不備」に次ぐ。

 トーマツは、「リスク管理部門がIFRSプロジェクトの情報を十分に得られていないことが原因ではないか」と分析する。

 IFRS対応が本格化する11年はコスト負担や人材不足に加え、社内各部門の連携体制にも注意が必要といえる。