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 NTT東西地域会社が認可申請していた四つの固定通信サービスに関する2011年度の接続料を、総務省は一部条件付きで認可した。「加入光ファイバーの1分岐貸し」や「乖離額調整」などについて、NTT東西とは異なる意見を主張してきたソフトバンクテレコムの弓削哲也専務取締役専務執行役員兼CTOに、今回の認可内容に対する評価を聞いた。

 NTT東西の2011年度接続料申請では主に、これまで8分岐単位で貸し出していたシェアードアクセス方式の光ファイバーを1分岐単位で貸し出す「1分岐貸し」と、将来原価方式で設定した接続料の乖離分を事後的に清算する「乖離額調整」などが論点となっていた。

 今回継続審議となり結論が先送りされた「1分岐貸し」について、1分岐貸しの実現を強く求めていたソフトバンクは「前回の議論では当社の提案についてきちんと議論されなかった。改めて当社提案を検討するように求めていきたい」と語った。加入光ファイバーの1分岐貸しとドライカッパーの計画的な巻き取りで利用者料金を下げ、普及を促進するという同社の提案が十分議論されなかった原因について「こちらの整理が不十分なところもあったが、当社案の実現性を否定する意見ばかりで具体的な対案が出ず、前向きな議論にならなかったことも大きい」と振り返る。また「議論では災害対策としてドライカッパーを残し、通信インフラを二重化してはどうかという意見もあったが、今回の東日本大震災におけるFTTH網の復旧は素早かった。また震災によって世の中の通信インフラに対するニーズそのものもネット寄りに変化している」と指摘した。ドライカッパーとFTTHの両方のインフラを維持するために発生する二重コストを解消するためにも、ドライカッパーの巻き取りを計画的に進めFTTHに移行すべきと主張した。

 今回の接続料申請に当たりNTT東西が総務省に提出したダークファイバーの需要予測では、今後3年間の需要の伸びが横ばいとなっており、その内接続事業者によるシェアは1%にも満たない。ソフトバンクはNTT東西のこのプランに対して、そもそもFTTHを積極的に普及させようという意図が感じられない点を問題視している。こうした状況で乖離額調整を導入することは「NTT東西にコストを下げて需要を高めるという方向のインセンティブを失わせることになるため反対だ」という。一方で「光の道」構想実現という高い目標に向けて積極的な需要予測を行い、その結果コスト回収できなかった場合には「調整制度による事後回収も受け入れる余地がある」と述べた。ソフトバンクは接続料の不当なディスカウントを求めたり、コスト回収のリスクをNTT東西だけが負うべきと考えている訳ではなく「きちんとビジネスが成立する前提で、接続料金を下げられる方法があるという提案を行っている」と説明する。

 今後、固定回線における接続料の議論が再開した際には、NGNの各種機能のアンバンドルを強く訴えたいという。「NGNの独自機能については当初否定的な専門家も多かった。しかしこれだけ普及すると、NGNのGC相当の接続やQoS保証などを前提とした議論やサービス展開が視野に入ってくる」と考えるためだ。さらに接続料に関する議論はなるべく早く再開することも必要だと主張する。「認可が終わると議論が一段落する傾向があるが、光の道実現までに残された時間は少なく、また震災復興というテーマもある。例年総務省で大きな人事異動がある夏までには、一定の方向性が見えている必要がある」とスケジュール感を示した。