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 「IT人材白書2011」では、多様な人材の活用という観点から、日本のIT業界でイノベーションを起こすために必要な「突出したIT人材」の活用と、女性IT技術者の活躍について調査している。今回は、この調査結果を紹介していこう。

 なお、突出したIT人材とは、「IT分野において斬新な発想を形にできる才能をもち、製品やサービスのイノベーションで活躍するような人材」のことである。例えば、IPAの「未踏IT人材発掘・育成事業」で発掘育成しているような人材を指す。

課題が多い突出したIT人材の活用

 まず、突出したIT人材の育成・活用について見ていく。

 図1は、IT企業に対して「海外企業を含む他社との差別化・競争力を強化するために、突出したIT人材を活用する必要性を感じていますか」と聞いた結果である。それによれば、回答企業533社のうち49.7%と約5割が、「全体的に必要性を感じる」または「部署によっては必要と感じる」と答えている。

図1●突出したIT人材の必要性
図1●突出したIT人材の必要性

 この割合は、従業員規模が大きくなるほど高くなる。例えば「部署によっては必要と感じる」という回答は、31名~300名の企業では24.1%に過ぎないが、1001名以上では39.3%に増える(図2

図2●突出したIT人材の必要性(従業員規模別)
図2●突出したIT人材の必要性(従業員規模別)

 「全体的に必要性を感じる」または「部署によっては必要と感じる」と答えた企業265社に対して、「現在突出したIT人材は活躍していますか」と聞いた結果が図3。それによれば、全体の55.8%が、そもそも「必要な人材が確保できていない」と回答している。

図3●突出したIT人材の活躍度合い
図3●突出したIT人材の活躍度合い

 図3で「突出したIT人材が存在する」とした企業92社(「期待に応えた活躍をしている」または「人材はいるが活用できていない」と答えた企業)について再度まとめると、48.9%が「期待に応えた活躍をしている」、51.1%が「人材はいるが活用できていない」と答えている(図4図5)。突出したIT人材が社内にいたとしても、約半数の企業がうまく活用できていないわけである。

図4●突出したIT人材がいる企業における活躍度合い
図4●突出したIT人材がいる企業における活躍度合い

図5●突出したIT人材がいる企業における活躍度合い(従業員規模別)
図5●突出したIT人材がいる企業における活躍度合い(従業員規模別)

 それでは、突出したIT人材に活躍してもらうための課題は何だろうか。IT企業に、「今後突出したIT人材を活用する場合、どのような点が課題になると考えられますか」と聞いたところ、「欲しい人材を確保できない」が50.9%でトップだった。次いで「適切な処遇が困難」(32.8%)、「突出したIT人材をマネジメントできる人材がいない」(32.5%)、「魅力ある職場環境の提供が困難」(30.6%)が続く(図6)。

図6●突出したIT人材を活用するための課題
図6●突出したIT人材を活用するための課題