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中国進出に積極的だが、市場攻略のための具体策は何か?

台湾 東元集団の黄 茂雄会長
台湾 東元集団の黄 茂雄会長

 大きく二つある。一つめは販売やマーケティングのシステムを整備すること。その中心になるのは総合電機メーカーの東元電機だ。

 製造業である東元電機は、これまではERPやSCMといったシステムの整備に力を割いてきた。これら製造業としての基幹システムについては、すでにある程度完成したと自負している。

 むしろ消費者の生々しい声、広い中国の市場のすう勢を、きめ細かく吸い上げることが、これからは重要だ。競争相手の動向も理解しなければならない。例えばエアコンを買った顧客には、同分野の商品を販売することを当面見込めない。

 その一方、アフターサポートに何を期待しているのか、エアコンをどのように使っているのか、商品そのものに不満はないのかなど、吸い上げるべき情報はたくさんある。こうした情報を、中国の隅々から集めなければならない。

 東元集団は重電から電子機器、情報サービス、建築・エンジニアリング、さらには物流や外食、食品流通までを手掛ける。台湾という小さな市場で企業として成長するための戦略として、事業領域を広げてきた。台湾では、シェア5割を超える製品も少なくない。でだが、いくらシェアを伸ばしたところで、市場規模が小さい分だけ売上高の伸びには限界がある。だからこそ、中国市場に積極的に進出するわけだ。

 ただし、中国という巨大な市場に進出するには、戦略を抜本的に変える必要がある。対象の分野を家電や耐久消費財といったコモディティー製品に絞り、資源や人材を集中的に投下していく。

 もう一つの戦略は、適切な協業を図ることだ。地元政府と手を組む、あるいは複数の企業同士で手を組む。広大な中国市場を、1社単独で攻めるのは無理がある。オープンな協業、コラボレーションこそが、今後は重要になる。

協業が重要なのは確かだが、相手を探すのは容易ではない。

 その通り。そこで当社は海外企業が協業相手を探す場を用意している。中国の青島市と共同で進めている「イノベーションパーク」構想だ。ITやハイテクの企業を集積した団地を形成し、世界から有望な企業を集める。台湾の産業界が中国に進出する足がかりにするのはもちろん、日本企業にも積極的に進出してもらいたいと考えている。地元の青島市にとっても、ハイテク産業を興すという要望にかなう。

 こうしたコラボレーション支援は、当社に直接的な利益をもたらすだけでなく、今後のビジネス拡大における無形の利益ももたらすだろう。

写真●東元集団が開発を率いる、台北・南港地区のハイテク団地「南港ソフトウェアパーク」
写真●東元集団が開発を率いる、台北・南港地区のハイテク団地「南港ソフトウェアパーク」

 青島市におけるハイテク団地構想は、当社が台北の南港で建設してきた「南港ソフトウェアパーク」を土台にしたものだ(写真)。1994年に始めたプロジェクトで、すでに350社、1万7000人以上が集まっている。当初は利益度外視の活動だったが、現在では当社のソフトウエア事業や電子機器事業などに、大きく貢献している。

 日本企業は、日本人同士で海外に出て行くという発想を、改める時期にきているのではないか。外国の企業とも勇気をもって手を組み、外へ出て行くべきだ。