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 この先の10年に向けて、電話の技術でいま何を知っておくべきでしょうか。電話機や電話交換機が変化していっても、絶対に変わらないものがあります。それは、「回線」というものの本質的な概念と、それをつなげる処理です。3月11日の東日本大震災では電話がつながりにくくなり、電話の回線をつなげる処理が改めて注目を集めました。震災で電話がつながりにくくなったことと、回線をつなげる処理について、見てみましょう。

交換機の「パンク」を防ぐ発信規制

 東日本大震災では、携帯電話だけでなく加入電話(固定電話)もつながりにくくなる現象が起きました。単に回線が混んでいたからではありません。つながりにくくなったのは、NTTが一般の電話からの発信を規制したからです。発信規制の理由としてよく知られているのは、消防・警察への緊急通報や電力・ガスといったライフラインにかかわる機関への通話などを優先するため、というものです。これが最大の理由ですが、実はもう一つ、あまり知られていない理由があります。それは「交換機のパンクを防ぐため」です。NTTはホームページ上で次のように説明しています(一部抜粋)。

・『電話網においても道路の渋滞と同じように混雑し、なかなか電話がつながらない場合があり、このような事象のことを“電話のふくそう(輻輳)”と呼んでいます。』

・『このふくそうが集中的に発生すると、交換機の処理量も比例することとなり、やがては交換機処理自体が停止してしまう恐れがあります。』

・『交換機の処理が限界に達する前に、トラヒック制御装置に対してふくそうの通知を行います。』

・『接続量の制御を行うことで交換機の「パンク」を防ぎます』

 これはNTT東日本での「電話網のふくそう」の説明ですが、NTT西日本も同じように説明しています。これを読む限り、「交換機のパンク」とは単に回線容量が足りなくなった現象のことではないと分ります。「交換機自体を停止させる」ほど恐ろしい「パンク」とは一体、何のことでしょう。