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 前回まででPreziの基本的な操作と、Preziならではの表現方法を理解していただけたことでしょう。難しい操作もなく、テキストやフレームという簡単なオブジェクトをうまく組み合わせるだけで、これまでとは全然違うイカしたプレゼンテーションが完成します。

Preziでも単調な動きでは飽きがくる

 しかし、Preziでプレゼンを作ることに慣れてくるにしたがって、段々と作業は短調になり、気がつけば文字ばかりがビュンビュン、ぐるぐる動きまわる騒がしいプレゼンテーションになりかねません。

 Preziはまだ多くの人が知らないツールでしょうから、最初のうちはPowerPointよりは「お!なんだこの動きは!いやにカッコ良いぞ!」なんて思ってくれることは間違いありません。と言っても、そんなのは初めてPreziを見る人だけで、2度目以降の人には通用しません。

 そもそも初Preziの人でさえ、驚いてくれるのは、せいぜい最初の10分くらいで、それ以後も同じような単調な動きが続くようであればプレゼンテーションに飽きられることは間違いありません。ここはどれほど強く言っても言い過ぎではないでしょう。必ず飽きられるのです。少なくとも僕は飽きるし、それどころか動きがうっとうしいとさえ思うでしょう。

世界観を明確にすること

 では、そうならないように、30分、あるいは1時間、私たちのプレゼンテーションにオーディエンス(聴衆)を引きつけ続けるにはどうしたらよいでしょうか。その答えは、綿密にプレゼンテーションのストーリーを練り込むという一点に尽きます。

 すなわち、ここから先はツールの機能ではなく、コンテンツそのものの魅力やプレゼンターであるあなた自身の体験と、それを語る能力が極めて重要になってくるのです。著書では半分以上のページを具体的に、物語を作り込むための考え方や、手法、そして優れた語り手になるための練習方法に費やしました。少なくとも私はそのくらいプレゼンテーションにおいて大切なのはツールを使いこなす技能よりも、ストーリー構築やスピーチ練習にあると考えているからです。

 そして、明確に表現すべき世界観が構築できた時にはじめて、足りない部分が見えてきます。文字だけでは伝えきれないところはどこか、思いだけでなく具体的なデータや数値として商品の価値を訴えるべきところはどこか、そんなところが見えてくるのです。  これまでのプレゼンテーションでは、まず真っ先に新機能や(自分たちが考える)メリット、数値的な優位性などを論理的に、定量的に訴えかけることがよしとされてきました。しかし、残念ながらそれでは世界観は表現できないことを肝に銘じなくてはなりません。

 Preziを使いこなす上で最も難しいのは、実はこの思考回路を切り替える点にあることに注意してください。Preziを真の意味で使いこなすには、これまで当たり前と思ってきた常識を一度ぶっ壊す必要があるのです。